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八条学園騒動記
第六百九十話 カロリーは高いがその六

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 五人でコーヒーを飲んだ、だがここでルーシーは言った。
「そういえばね」
「どうしたのかな」
「いや、コーヒーってね」
 ルーシーはコーヒーを飲みつつ兄に話した。
「私達皆で煎れるわね」
「それがどうしたのかな」
「前にお話したお隣さんの」
「あの行方不明の?」
「そう、いいところが全くないね」
 こう言うのだった。
「あの人ね」
「コーヒーでも何かあったんだ」
「娘さんが入院してて大変なお家に上がり込んで」
「そうしてなんだ」
「コーヒー煎れてくれってね」
「言ったんだ」
「家族皆が娘さんが入院してて」
 そうしてというのだ。
「看病とかで疲れ切ってる時にね」
「そう言ったんだ」
「そうみたいよ」
「無神経だね」
 ベンはルーシーの話を聞いて思った。
「しかもやっぱりね」
「図々しいわね」
「うん、酷いね」
「このお話もね」
「普通にお家に入れたくないね」
「それでお家の息子さん、娘さんのお兄さんからね」
 ルーシーはさらに話した。
「言われたらしいわ」
「何てかな」
「お母さん今疲れてるから」
「それでだね」
「どうせなら自分で淹れてくれってね」
「言われたんだ」
「そうだったみたいよ」
 兄にどうかという顔で話した。
「これが」
「本当にどうしようもない人だね」
「兎に角遠慮とかね」
「そうしたのがなかったんだ」
「謙虚さも気遣いもね」
 こうしたこともというのだ。
「一切ね」
「ない人だったんだ」
「だからなのね」
「今は誰からも見捨てられて」
「行方不明なのよ」
「今死んでなかったら」
 ここで言ったのはケイトだった、心から嫌なものを感じてそれで眉を顰めさせてそのうえで話していた。
「誰かに寄生してね」
「生きてそうだね」
「それでお世話になっていても」
 寄生してというのだ。
「感謝もね」
「してないね」
「絶対にね」
「お話を聞くとね」
「ずっとそうだったし」
「これからもね」
「どうも世の中ね」
 ケイトは考える顔で述べた。
「どうしても変わらなくて救われない」
「そんな人もいるね」
「馬鹿と言ったらね」
「ここまで馬鹿もいないね」
「それでアホと言っても」
「とんでもないアホだね」
「兎に角ね」 
 ケイトはさらに話した。
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