第九話 風使その五
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「そうすればいいです」
「そうですか」
「そうね。私もね」
颯姫も言って来た。
「何とも思わないけれど何かしてもらったら」
「その時はですか」
「礼儀だから」
それでとだ、??に話した。
「お礼を言うわ」
「そうですか」
「礼儀は守るものだから」
それ故にというのだ。
「そうしているわ」
「礼儀のことはお祖父様に言われています」
「ならね」
「感謝したらですね」
「言うことよ」
お礼、それをというのだ。
「そうすることよ」
「わかりました、そうしていきます」
「ええ、それとね」
「それと?」
「何かね」
颯姫はこうも言った。
「私も少しずつだけれど」
「少しずつですか」
「こうして皆といれば」
遊人も見て話した。
「嬉しく思うことがね」
「ありますか」
「そうなってきたわ」
「そうですか」
「私達は仲間よ」
庚が言ってきた。
「地の龍のね」
「仲間と一緒にいたら」
「お友達とね」
それならというのだ。
「普通によ」
「嬉しいとですか」
「思うことよ、絆はね」
庚はこうも話した。
「大事にするものだから」
「それがあって」
「一緒にいたらね」
仲間と、というのだ。
「それでよ」
「嬉しいとですか」
「自然に思うことよ」
「そうですか」
「そしてね」
それでと言うのだった。
「美味しいでしょ」
「ええ、お茶もお菓子も」
「そちらを一緒に楽しむこともね」
「嬉しいことなの」
「そうよ、だから私もよ」
「皆が集まれば」
「こうしてお茶を出しているのよ」
こう言うのだった。
「ずっと楽しめなかったし」
「ずっと」
「知ってるわね、私は一人だったのよ」
暗い顔になってだ、庚は話した。
「本当にね」
「ずっと」
「ええ、姉さんがいたけれど」
丁のことを想いつつ話した。
「姉さんはああでね」
「何も見えず何も聞こえなくて」
「そして夢見だったから」
それでというのだ。
「私は引き離されて姉さんだけ大事にされて」
「貴女はなの」
「いない位にね」
そこまでというのだ。
「ぞんざいによ」
「扱われていたの」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
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