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第九話 風使その三

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「護れますか」
「きっと、征一狼さんなら出来ます」
 本人に笑って話した。
「きっと」
「そうですか、では」
「そうなる様にですね」
「僕も頑張ります」
 このことを約束しつつだ、征一狼は玳透と共に修行に励み汗を流すこともした。彼にも誓うものがあった。
 颯姫は朝起きてすぐに自宅のリビングに出て朝食を摂った、その朝食はフレークに牛乳をかけたものだった。
 そのフレークを食べる彼女にだ、立派なスーツを着た如何にも地位がありそうな中年男性である彼の父が声をかけた。
「今朝もフレークと牛乳か」
「ええ、これが一番栄養バランスがいいから」
 颯姫は食べつつ答えた。
「そうしているの」
「そうか」
「ええ、それでお母さんにもね」
「話しているか」
「いつも通りね、お母さんはもっと食べたらって言うけれど」
「それで充分か」
「栄養バランスだけでなく量も」
 こちらもというのだ。
「充分よ」
「ならいいがな、それで学校はどうだ」
「変わらないわ」
 素っ気ない返事だった。
「そちらは」
「そうか、では庚さんとのことはどうだ」
「お仕事ね」
「都庁の特別なお仕事だな」 
 両親はこう聞いていた。
「そうらしいが」
「そちらは順調とは言えないわ」
「そうなのか」
「まだ人が少ないから」
 七人揃っていないことをこう話した。
「だから」
「そうか、しかしな」
「このままなのね」
「頑張ることだ、お前は昔から抜群に頭がいいからな」
 それでというのだ。
「何をしても出来る、安心しろ」
「お父さんはそう思うのね」
「違うか?子供の頃からだったな」
 非常に優れた頭脳を持っているというのだ。
「成績だっていつも一番だしスポーツもな」
「出来るの」
「だからな」 
 それでというのだ。
「安心している、お前なら大丈夫だ」
「颯姫で困ったことはないわ」
 穏やかな雰囲気の母も言ってきた。
「そして心配したこともよ」
「ないの」
「だからね」
 それでというのだ。
「都庁のお仕事もね」
「安心していいのね」
「失敗する筈がないわ」
「そうだ、お前が失敗することはなかったな」
 父は何も疑わない顔で話した。
「それならな」
「このままなのね」
「やっていくことだ」
 是非にというのだ。
「いいな」
「ええ、それじゃあ」
「そちらも頑張れ」
 両親はこう言うだけだった、そして。
 登校して部活の朝練に出るとだ、同級生の部員に話した。
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