第八十九話 遊ぶことその七
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「それでもよ」
「悪いのはそちらですね」
「煙草には火があるから」
それ故にというのだ。
「もうね」
「言い逃れ出来ないですね」
「子供の目に当たったら」
子供と擦れ違ってというのだ。
「それでその子供が失明したら」
「一生ものですね」
「煙草を吸うにしても決まった場所でね」
即ち喫煙場所でというのだ。
「マナーを守ってね」
「吸わないと駄目ですね」
「それが出来ないなら」
「吸ったら駄目ですね」
「そうよ、煙草はね」
「身体に悪くて」
「火事や傷害の原因にもよ」
そうしたことにもというのだ。
「なるから」
「吸わないならですね」
「それでいいわ、それにね」
「それに?」
「これ私の親戚だけれど」
そちらの話であるとだ、先輩は咲に前置きして話した。
「煙草吸ってる人にまともな人いないのよ」
「そうなんですか」
「ヒス持ちで育児放棄して自分だけ遊び回って自己中で執念深くて底意地が悪くて思いやりのない婆さんとかね」
「何か凄い人ですね」
「親戚中の嫌われ者よ」
そうした輩だというのだ。
「もう親戚の中で揉めごとがあるとね」
「その人がですか」
「絶対に一方にいるのよ」
「つまり揉めごとの中心ですか」
「そう、そしてね」
先輩はボールを受けつつさらに話した。
「長男さんだけ甘やかして」
「あっ、その長男さんも」
「煙草吸ってるけれど」
「その人も駄目なんですね」
「働かなくて図々しくて尊大でね」
「酷いんですか」
「何もしないのに偉そうに言うのよ」
先に実に嫌そうに話した。
「その人もね」
「母子で酷いんですね」
「それで二人共よ」
「煙草吸うんですか」
「そうなのよ」
「何ていいますか」
咲はここまで聞いて言った。
「あんまりにも」
「母子で酷いでしょ」
「聞かせてもらうだけでも」
「こうした人達見てきたから」
「先輩は煙草はですか」
「その人達のこと思い出すから」
だからだというのだ。
「どうもね」
「吸う気になれないんですね」
「ええ、吸ったらこの人達みたいになるってね」
「最悪な人達に」
「そうなる気がするから」
「だからだというのだ。
「ちょっと以上にね」
こうも言うのだった。
「煙草はね」
「先輩としては」
「吸う気にはね」
「なれないんですね」
「全くね、他の親戚の人もは吸ってた人いたみたいだけれど」
それでもというのだ。
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