外典 【BORUTO】 その2
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最近、日向の家で十五班のメンバーがよく集まっていた。
その理由が班員の一人である雀乃なみだが班長であるハナビの師事のもと水遁の修行を始めたからだ。
「水遁・水乱波(みずらっぱ)」
ピューと口から水を吐き出すなみだ。
今も日向の家で大木に向って水遁の修行をしている。
「ほら、なみだ。まだまだ続ける。だんだん威力が弱まってるわよ」
「ふぁい。水遁・水乱波」
なみだはハナビの叱咤に涙を流しながら印を組み上げ口から水を吐き出し続ける。
元々なみだは精神的に弱くすぐに泣き術に頼っているのだが、今の涙のそれは本当に泣いている。
「大丈夫かな、なみだのやつ」
と心配そうな声を上げたのは伊豆野ワサビだ。
「大丈夫だと思うよ。なみだ、一度は諦めそうになったけど、忍者になったじゃない」
心配していないと言ったのは同じく班員の篝スミレだった。
「そうだけどさー、スミレ。やっぱ心配」
「頑張ってるね」
と縁側に腰を掛けているのはこの家の子であるモンテ。その手には麦茶を持っていた。
「はい、少し休憩にするわ。水分補給も重要よ」
とモンテが持って来た麦茶を見たハナビが言った。
「水分補給はあと…で…うう…口が痛い」
疲れたとなみだが庭にある池の置石に腰を掛けた。
「本当、大丈夫かな…なみだの奴、なんかブツブツと独り言言ってないか?」
「そ、そうね。少し一人にしてあげましょうか」
「ワサビもスミレも薄情だね」
「そ、そんな事ないよ?」「そ、そうだぜ。な」
ワサビの言葉にコクコクとスミレが首を振る。
「まぁでも泣きもしないで頑張ってると思うわよ」
とハナビ。
「いや、泣いてるけど」
「モンテちゃーん?言葉の綾、よ」
「ひぃっ!」
蛇に睨まれた蛙の様に縮こまるモンテ。
「あー、本当に大丈夫か?なんかイマジナリーフレンドとか作ってねーかな、なみだのやつ」
「うん、うん、そうなのよ。分かってくれるんだ。うん?そうだね、泣き術は高周波攻撃に近いかな?うん、うん…」
「本当だ、あれはもうダメかもしれない」
末期症状だと独り言をつぶやいているなみだを見て可哀そうなものを見る目を向けるモンテ。
「うん、それも楽しそうだね。カメさん」
「……うん?」
カメなんて家の池に居たかしら?
ザパーと池の中から現れる二メートルほどの巨大な何か。
それはごつごつとしていて尻尾のような物が三本生えていた。
「あ」「あ…」「あちゃぁ〜」「え、何々っ!?」
モンテ、ワサビ、ハナビ、スミレの順で声が漏れた。
「ふぇ…」
池に背中を向けていたなみだが振り返る。
いつも
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