外典 【NARUTO:RE】
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こには二人の人影が存在していた。
「ワシは異世界から口寄せせねばならぬ故、お主も力を貸せ、弟よ」
「分かりました。それと兄者、わたしはこの娘に己のチャクラを託そうと思います」
「なんと己のチャクラを…」
「はい…大筒木とは本来そう言う一族でしょう」
「じゃが、これが失敗すればどうなるか…」
「大丈夫でしょう。これだけこの娘にその者が信じる何かが有るならきっとやり遂げる」
「なるほど、ではもう一人はワシの番かのう…輪廻眼と転生眼がそろえばこの難事もどうにかなろう」
「では兄者、先に行きます」
「うむ、すぐにワシも追う」
二人はコクリと頷くと次の瞬間にはそこには誰も居なくなっていた。
…
……
………
「ここは…どこだ?」
古風な鎧を着た男が瀑布を臨む岩肌の上に立っている。
その左眼は紫に光っているようだ。
「ここは…」
………
……
…
目が覚める。
なんか夢の中に変な爺さんが現れて何かを頼まれたような…
そう世界を救ってくれ、大筒木を倒してくれと頼まれたのだが…
「いったいどう言う状況?」
まず、見渡した視線を覆いつくすのは瓦礫の山だろうか。
木や土の建造物が何か巨大なもので叩き潰されたかのように木っ端微塵に崩れ去っていた。
嗅覚にはおびたただしい血の匂い。
耳には阿鼻叫喚の怒号が飛び交っていた。
更に遠くからはズシンズシンとなにか巨大なものが蠢く音と獣のいななき。
「なんだ…?」
それは九本の尻尾を持つ狐の化生だった。
キーーン…
空気が甲高い音を響かせると、九尾の口元に集まる黒い塊。
「やばっ!?」
恐らくあれがこのあたり一帯の建造物を吹き飛ばしたのだろう。
放たれた黒い塊は射線上の建造物を破壊しつくし、しかり途中で何かに飲み込まれるようにして消え去った。
「いつまでもここに居る訳にもいかないか」
周りの建造物はいつ倒れてきてもおかしくない様相だった。
どうやら自分も奇跡的に助かってはいたみたいだが体あちこちを怪我をしていて移動速度を上げられない。
自然と周りの人々の惨劇も目に入ってくる。
「おとうさんっ!おとうさん、死んじゃヤダっ…」
その下半身は瓦礫に挟まり身動きが取れない男性をどうにか助け出そうとしている女の子が見える。
「イズミ、良いか…避難所に行きなさい。そして母さんを探すんだ」
「お父さんも一緒に…」
「お父さんは後で行くから、お前は速く…」
「イヤだ、お父さんも一緒に…」
「お願いだよ、イズミ。お前は生きてくれ…」
その時アオは瓦礫が崩れる音を聞いた。
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