第二部 1978年
影の政府
奪還作戦 その1
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険か。
約100年前の普仏戦争のとき、皇帝ナポレオン三世はプロイセン軍に捕縛されてしまい、戦争自体が継続できなくなってしまった。
たしかにBETA戦争は、重金属の雲で電子装置や無線通信を制限したが、それでも国家元首の戦死というリスクは避けられない。
暗殺のリスクを押してまで、自分に会いに来たのか。
そう考えて、話し合いに応じることにした。
話し合いが始まるまで、中東の政治事情に疎いマサキは、シリアとソ連の関係が蜜月とばかり思っていた。
大統領の話によると、ソ連を信用していない様子だった。
ソ連からの約束された武器支援は滞っており、戦術機も100機以上納入されるはずが20機程度しか送ってよこさなかった。
マシュハドハイヴ建設の際は、政権崩壊の懸念から再三にわたって支援を要請するも、逆に、翌年には軍事支援を停止してしまった。
ミンスクハイヴ攻略がすんでから、軍事援助の再開を決定し、ソ連軍顧問の派遣を含む、新しい武器協定が結ばれた。
追加のMIG21バラライカ25機と、技術要員の新規派遣。
しかし、ソ連は、BETAの脅威が軽減したことを理由に、より高度な戦術機の納入を拒否し続けた。
そのことに、シリア側は、強く不満を感じていたのだ。
一通り、話を聞いた後、マサキは懐中より、タバコを取り出し、
「それにしても社会主義国のシリアが、この俺を手助けしようなどとは聞いたこともないな。
破天荒だぜ」
紫煙を燻らせながら、半ばあきれ顔で、笑う事しかできなかった。
「俺のことを助けて、日本政府から円借款を引き出す。
まったく、うまい算段を考え出したものだ。ハハハハハ」
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