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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission5 ムネモシュネ
(2) トリグラフ中央駅~自然工場アスコルド
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エルが全力で同意している。同居中にユティと何があった。後で聞かせろ。

「……めんどいから、やだもん」

 ユティは申し訳なさも含んだしかめっ面をした。

「おたくがイヤならいいんだよ。――さっきはありがとな。フォローしてくれて助かった」
「よけいじゃなかった?」
「なかった。気づいてくれてサンキューな」
「よかった。ああいうの、アナタのほうが巧いから、ワタシ、怒られないか心配だった」

 言われた内容は酷いはずなのに、アルヴィンが注意を引かれたのは別の所だった。

(笑うんだ、この子。写真の話題でさえ能面のまんまで話すから、てっきりそういう子だと思ってた)

 ルドガーがユティの頭をぐわしと掴んだ。

「ユティ。今のはさすがにアルヴィンに失礼だ。謝れ」
「ルドガー、頭重い。髪乱れる」
「元からどこが毛先だってくらいに巻きまくってるだろうが。むしろ一周回って直毛になるんじゃないか?」
「ストレートいやー」
「だからお前の『イヤ』の基準はどこにあるんだ! 斜め上すぎて理解できねえよ!」

 ルドガーはユティの頭をさらに掻き回す。エルがそれを半眼で見上げる。ローエンとエリーゼは微笑ましく見守っている。

 アルヴィンは我慢せず声を上げて笑った。

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