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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアGX編
ガルドの優雅な一日
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少し顔が隠れるようにしてやった。そして軽く腕を差し出すと、奏は颯人の腕をそっと抱く様に腕を絡める。腕を絡めて寄り添った奏が帽子の影から見上げ颯人と目が合うと、2人はどちらからともなくこそばゆそうに笑みを浮かべてその場を歩き去っていった。




***




 歩き始めてから数分、ガルドとセレナはいくつかの店を回っていた。目的はデートであるが、料理研究の為の食べ歩きもただの建前ではなく目的の一つ。故に2人は、街の中を歩きながら気になる店の商品を手に取っていた。

 今2人の手の中にあるのは、移動販売車で買ったクレープである。

「ふむ……これがジャパニーズ・クレープか……」
「ふわふわで美味しい……!」

 ガルドはバナナと生クリーム、チョコソースのクレープ。セレナはイチゴと生クリーム、チョコソースのクレープをそれぞれ手にしている。
 クレープの発祥はフランスと言われているが、日本のクレープとは違いフランスのはトッピングはシンプルでどちらかと言うと生地を楽しむスイーツとなっている。その違いをガルドは楽しみつつ、柔らかな生地の食感とトッピングの多彩な味に舌鼓を打っていた。

 そんな時、ふとセレナがガルドの方を見ると彼女は何を思ったのか彼を手招きした。

「あっ! ガルド君、ちょっと……」
「ん? どうしたセレナ?」

 突然手招きしてきたセレナに首を傾げつつ、ガルドが彼女に顔を近付ける。すると彼女は、近付いてきたガルドの頬に付いたチョコソースをキスする様に舌で舐め取った。

「ん……エヘヘッ! 頬っぺた、ソースがついてたから」

 そう言って笑みを浮かべるセレナだが、内心では自分のやった事が相当恥ずかしかったのだろう。自分でやっておきながら頬を赤く染めている。
 だがそれでも、やってみたかったのだ。こういうカップルの触れ合いに、セレナも憧れがあった。それが今こうしてできたことに、彼女は恥ずかしさよりも嬉しさの方が勝っていた。

 対するガルドは、突然のセレナの行動に一瞬思考が停止していた。まさか彼女がこんな大胆な行動をとるとは思っていなかったのだ。
 だがその反面、こうして彼女と触れ合えることが嬉しいと思うと同時に、このまま彼女にされたままである事に悔しさを感じている自分にも気付いていた。やり返すのとは少し違うが、自分も彼女にもっと積極的に触れたい。

 そんな彼の目に、セレナの口元の生クリームが映った。先程の大胆な行動の反動か、セレナは自分の口元に生クリームが付いている事に気付いていない。

 ガルドは素早く手を伸ばし、指で彼女の口元の生クリームを掬い取るとそれをそのまま自分の口の中に運んだ。あまりにも素早い彼の動きに、セレナはポカンとしている。

「口元、クリームが付いてたぞ
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