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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアGX編
ガルドの優雅な一日
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入美人捜査官メガネ――要はただの伊達メガネ――を掛け、物陰からガルドとセレナを見つめている。

 そんな3人の姿に、颯人と奏は呆れた目を向けていた。

「いきなり奏経由で日本に連れてけ〜、なんて言うから何事かと思えば……」
「やる事がセレナとガルドのデートの出歯亀って……ちょっと過保護じゃないかマリア?」

 マリアはつい先日まで、弦十郎からの特命を受けロンドンで捜査活動を行っていた。それも一段落し、弦十郎からはそのまま暫く現地で羽を休めるよう言われていた筈なのだ。
 ところがつい先日、奏はロンドンに居るマリアから連絡を受け、颯人に魔法でマリアを日本に送るように頼まれた。何やら急いでいる様子だったのでただ事ではないと協力したのだが…………その目的がデートの尾行と知り思わず脱力してしまった。

「何を言ってるのッ! セレナとガルドが上手くいくかを見守るのも、姉の務めでしょうッ!」
「だったらさっさと2人の同居認めちまえよ。未だにセレナってマリアと同じ部屋なんだろ?」
「私だってセレナに甘えたいのよッ!」
「颯人、もう何言っても無駄無駄。こうなったらもう止まらないって」

 今まで体の弱ったセレナに無理をさせられないと過保護に接していた影響だろうか。マリアはセレナをとても大事にしているのだが、その一方でセレナから離れられなくなっていた。海外での活動も多いのに、セレナにはマリアの部屋に居てもらっているくらいだ。
 薄々分かってはいたが、マリアは結構姉馬鹿らしい。彼女のそんな一面に気付き、奏は最早何も言うまいと静観を決め込んでいた。

「あっ! マリア、2人が見えなくなっちゃうデスよッ!」
「急いで追わないと……」
「そうだ、こうしちゃいられなかった!?」

 離れていくガルドとセレナの後ろ姿を、3人は急いで追いかける。颯人と奏はそれを見送り、揃って溜め息をついた。

「これ……放っておいていいのか?」
「良いんじゃないの? 少なくとも邪魔はしないだろうし」
「って言うか、マリアはともかく調ちゃんと切歌ちゃんは何で尾行してるんだ?」
「あれじゃない? 大好きな姉が男とデートするのが気になって仕方ないって言う」
「あ〜……」

 颯人は改めてガルドとセレナのデートを尾行する3人を眺めた。あの2人からは見えずとも、他の人からは丸見えな為3人は時々通行人から奇異なものを見る目を向けられているが気付いていない。そんな姿に颯人はもう一度溜め息を吐き肩を竦めると、これ以上あの3人に関わるのは止めようと気持ちを切り替えた。

「さ〜て、どうせだから俺達もこのままデートと洒落込もうぜ」
「お、いいね! どこ行く?」
「ま、それは歩きながら考えようぜ」

 そう言って颯人は奏に自分が被っていた帽子を被せ、周囲から
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