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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
四話 覇王現る!?
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「……私のそれは――生きる意味は……」
言いながら、ゆっくりと彼女は構える。

「表舞台には無いんです」
『っ……』
が、構えるには少々距離が遠いように見えた。目算でも、クラナと彼女の距離は6〜7mはある。

『となると射砲撃(ミドル)か……』
一応空戦の可能性も考慮したいが、其方は一手遅れでも対処は利く。そうして、彼女の身体がゆらりと動き……

「つおっ!?」
一気に此方へ接近してくる。

突撃(チャージ)!?いや……』
反射的にサイドステップを踏んで正拳を避けて、気付いた。
一瞬脱力してから、一気に加速して再び此方に来る。

歩法(ステップ)か!』
覇王流の歩法でもあるのだろうか?既に身体を翻した彼女は、此方に向かって一直線に来る。

『アルッ!』
[First gear unlock]
ブシュッと足元から音がした。クラナの鳩尾を、彼女の拳が捉えようとして……

[Acceleration]
「ふっ!」
「!?」
しかしすんでの所で、クラナがバックステップ。そのまま一気に距離を取る。

『あっぶな……サンキュ、アル』
『お気になさらず。しかし……』
『うん、強い。久し振りに真面目な戦闘になりそうだ……けどその前に……』
まだ聞いておくことがある。と、念話で呟き、クラナは問う。

「……表には無い……貴女の目的って……?」
静かに聞いたクラナに、先程の一撃がかわされた事が意外だったのか、黙っていた『覇王』は此方を向いた。
正直な所、表舞台では鍛えられぬ強さとなると、クラナには殺人拳か何かしか思い浮かばない。そんな予想を、寸前まで立てていただからこそ……

「……列強の王達を全て倒し、ベルカの天地に覇を成すこと……」
この発言に、耳を疑わずには居られなかった。

「それが私の成すべき事です」
『…………は?』
一瞬、冗談か何かを言っているのかと思い、真っ直ぐに彼女を見つめるが……至極真面目ないや、寧ろどこか切実とも取れる表情で彼女は此方をみており、その顔を見る限りどうやら本気のようだった。だが、やはり思わず口に出してしまう。

「……それは、本気で言っているのか?」
「真剣です」
其処まで聞いて、クラナは溜め息をついて呆れるべきなのか、あるいは彼女を優しく諭すべきなのか、本気で迷った。
それはそうだろう。確かに、彼女の名乗る『覇王』と、ヴィヴィオの複製母体(オリジナル)である『聖王女』は同じ戦乱の時代を生きた王だが、それは遥か昔。古代ベルカ諸王時代の、戦乱末期の話だ。

即ち歴史の彼方に今は埋もれた過去であり、現代である今、「列強の王を倒す」だの「ベルカの天地に覇」だのと言われても、
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