暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
四話 覇王現る!?
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何ですか?負けなければ良いんでしょう?』
『そう言う……問題じゃねえよ!』
念話の中で、ノーヴェの口調が荒くなる。が、それに怯んだ様子もなく、クラナは逆に辟易としたように答えた。

『……なら、俺が負けたら貴女が彼女を捕まえれば良い』
『テメェ……』
イラついたようなノーヴェの声をそれ以上聞く事も無く、クラナは覇王と向き合う。この時点で、ノーヴェがクラナを殴らなかったのは殆ど奇跡に近い。ちなみにアルはそうなるのではないかとヒヤヒヤしつつ、此方の気も知らない主を殴りたくなっていた。その上で……

「……ん?」
ノーヴェのデバイス、[ジェットエッジ]に文章通信(メール)が届く。小さなウィンドウでノーヴェがそれを開くと……

[申し訳ありません!マスターにもきっと何か考えがあっての事と思いますのでどうかご寛大に……! アル]


「…………」
苦労しているらしいデバイスに、苦笑してノーヴェはそれ以上を飲み込んだ。

――――

「では……私が貴方に勝利した暁には、聖王オリヴィエの複製体の情報をいただけると言うことでよろしいですね?」
「…………」
無言のまま、クラナはコクリと頷く。それを確かに確認すると、『覇王』は言った。

「防護服と武装をお願いします」
「…………」
指先で回していたペンライトをピタリと止めると、軽く頭上に投げた。

「……アクセルキャリバー」
[Set up]
一瞬だけ、その場に立つクラナの姿が水に通したように、あるいは、陽炎の向こうに居るかのようにグニャリと歪み、それが収まると……バリアジャケットを装備したクラナが現れた。

「…………」
特徴的な姿だ。上半身は青と白を基調としたジャケットを着て、下半身には薄めの茶色いズボン。それは良いのだが、問題は両手、両足である。

両手に手鋼をつけており、格闘戦を主体としていることはだいたい分かるが、片方の手鋼に妙な突起がある。両足には膝から下にゴツゴツとした脚鋼があり、それにも左右それぞれ五つずつの突起が見て取れる。但しこれは読者諸君に申し上げるものだが、別にローラーが付いている訳ではない。妙な五つの突起以外は至って普通の脚鋼だ。

「……質問」
「……どうぞ」
と、クラナが口を開いた。対し覇王はというと、静かな口調でその先を促す。

「……その歳で、こんな事をする理由について」
突然戦闘とは関係無い事を問い始めたクラナに、ノーヴェは眉をひそめた。アルはクラナに何か考えが有ると言っていたが、なんなのだろう?

「……強さを知りたいんです。そして……今よりも強くなりたい」
その答えに今度はクラナが眉をひそめた。

「……なら道場にでも行けばいい」

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