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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
四話 覇王現る!?
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…」
しかしノーヴェはその言葉を最後までは聞く事無く、遮るように返した。
強い意志と決意を宿した瞳で振り向いた彼女は、その鋭い眼光で目の前の女性を睨みつける。

「聖王のクローンだの冥王陛下だのなんて連中と、知り合いになった覚えはねえ」
その言葉には、明らかな勢いと、自らの友を害さんとするかも知れぬ者への、敵意が籠もっていた。

「あたしが知ってんのは、一生懸命生きてるだけの普通の子供達だ」
誰しも、生まれ方を選ぶ事は出来ない。この世に生まれ出て、自分に意志が根付くよりも早く、それは決まって居るものだからだ。ノーヴェ自身、他人とは少し違った形で生まれてきている身である。だからこそ、彼女は生まれを理由に自分の知る子供達の人生が狂わされる事は許容出来ないし、する気もなかった。
当然ながら、怪しげな女にその所在を教えるつもりもない。

「……理解できました。その件は他を当たります」
対し女性はと言うと、さして気分を害した風でもなく、話を続ける。

「ではもう一つ。確かめたい事は……」
その言葉を発する寸前、一瞬だけ彼女の纏う雰囲気に威圧感が増したのは気のせいではあるまい。

「あなたの拳と私の(それ)の、一体どちらが強いのかです」
「…………」
あるいは、予想はしていたのかも知れない。
ノーヴェは押し黙るように暫く『覇王』を睨むが……やがて……

「……待った」
が、答えようとした所で、横からそれまでは黙っていた青年の声。
スッと視線をノーヴェの横に移した彼女に合わせるように、ノーヴェが自身の左手を見ると、何時の間にか真横にクラナが立っていた。

「お、おい……」
「何か」
ノーヴェが言う前に、『覇王』がクラナに問う。相変わらず感情の分かりにくい表情のまま、クラナは答えた。

「……俺も知ってる」
「……え?」
「何を……でしょうか?」
ノーヴェが目を見開いた。しかしそれを無視して、『覇王』の問いにクラナは答える

「……聖王の複製体の居場所」
「…………」
「っ!クラナッお前……!!」
クラナが答えると同時に、ノーヴェがクラナの腕を掴んだ。が、それでもクラナはノーヴェを無視する。

「……教えて欲しいなら条件がある」
「……何でしょう?」
「おいっ!」
ノーヴェの制止も聞かずに、クラナは言い切った。

「……この(ひと)より先に俺と闘って、貴女が勝ったら」

――――

『……どういうつもりだ』
『……別に』
念話でのノーヴェの問いに、クラナはさらりと答えた。それに怒ったように、ノーヴェは続ける。

『別にじゃねえだろ!?お前、ケンカのダシに妹使う気か!?』
『……だったら
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