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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
天使の覚悟
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が、危害を加えてこようとはしてこない。そのため、俺とシェリアは何事もなくレオンに辿り着くことができた。

「くっ・・・二人とも来たのか」
「ウェンディたちも来てるよ」
「レオン・・・大丈夫?」

俺たちに気が付いた彼は苦虫を噛み潰したような表情で一瞬だけ視線をこちらへ向けたかと思うと、すぐに立ち上がり相手へ意識を戻す。

「邪魔しないでくれ、こいつも・・・さっきの奴も俺が仕留める」
「またそんなこと言って・・・」

やられて元に戻るかと期待していたけどそんなことはなかった。むしろさっきよりも酷くなっている気がする。主にケガがだけど。

「レオン・・・」

心配そうな表情ではあるものの、彼を止めようとはしないシェリア。さっきの大丈夫はなんだったのだろう、もしかしてレオンなら大丈夫ってこと?でもそれじゃあさっきの何も変わらない。

「ん〜」

天使に意識を向けたまま、頭は懸命にこの状況をどう打破するか考える。せっかくグラシアンさんが一人倒してくれたんだ・・・どうせならこのチャンスは生かしたい。

「でもなぁ・・・」

思わずタメ息が出そうになる。確かにレオンは強い。でも、今の彼はその力を過信しすぎている。そしてシェリアもそれに任せきりになっており、如何せん行動しようとしてくれない。

「あ・・・そっか」

この二人をどうにかしないとせっかくのチャンスが水の泡になると思い作戦を考えていた。すると、頭の中に一つの案が浮ぶ。迷っている暇はない、すぐに実行に移す。

「レオン!!」
「何?」

不機嫌そうな声でこちらに視線を向けるレオン。隙だらけの状態にも関わらず、相手は攻撃してくる気配がない。

(まぁ、天使は俺たちを殺せないらしいしね)

これまでのことから彼らの言っていることは本当だろう。それをほぼ確信していたからこんな戦いの最中でも彼に声をかけることができる。

「こいつは俺がやる。レオンとシェリアは昼間の奴をやって」
「はぁ?お前ふざーーー」
「ハンデには!!」

俺の提案にレオンが納得しないのも折り込み済み。彼の反論に重ねるように俺は大声を張り上げる。それにより彼は口を閉ざすと、今度は静かに口を開く。

「ハンデにはちょうどいいでしょ?俺的にもレオン的にも」

今、目の前にいる天使はレオンの攻撃を受けて傷ついている。かすり傷程度ではあるが、万全な状態ではないはず。
そしてこの先にいる王を名乗るバリーザヴィッチは無傷のはず。対してレオンはボロボロ。彼が今、自分の力に自信を持っているなら、この意味がわかるはず。

「・・・なるほど、わかったよ」

俺の言いたいことを理解した様子のレオンは渋々ながらそれを了承する。先を行こうとこちらに背を向けた彼に気付かれないよう
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