天使の覚悟
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遡ること少し前・・・レオンside
「氷神の・・・怒号!!」
通路いっぱいを使ってのブレス。この狭い通路であれば相手の逃げ道を無くすことなど造作もない。敵はこれを避けるスペースもなく、ただ飲み込まれるしかない。
「悪いが、お前に時間は使ってられない」
シェリアが起きてくる前にあいつを倒してこの依頼を終わらせる。そうしなければ格好がつかない。そう思っていた。
「なるほど、確かに話し通りの力だ」
「!!」
先を急ぎたかったが、煙が晴れて現れた敵は以前のシリルのような白い翼を生やし、こちらを見据えている。その身体には確かに傷を付けれているが、どれもかすり傷程度。ほとんど効果はなかったように見える。
「へぇ・・・なかなかやるじゃん」
「そっちこそ」
ニヤリとイヤらしい笑みを浮かべている相手に俺は苛立つ気持ちを抑えつつ攻撃に入る。しかし相手は俺の攻撃の合間を縫うように攻撃をしてくるため、地味にダメージが蓄積してしまう。
「くっ・・・このっ・・・」
なんとか攻撃を返してはいくもののクリーンヒットがない。その間にも相手は的確に急所を攻めた攻撃をしてくるため、どんどん動きが鈍くなっていくのがわかる。
「だったら・・・」
このままでは大勝負を前に身体が限界を迎えてしまう。そう悟った俺は拳に魔力を集中させ、逆転を狙う。
「必殺技じゃない当たり、まだ理解できていないようだね」
相手が何か言っているがそんなことはお構い無しに突撃する。こいつにはこれで十分。そう思い俺は拳を振り抜く。
「永久凍土!!」
完璧な右ストレートが彼の頬を捉えた。手応えはあったはず・・・しかし男はその勢いで身体が宙を舞ったかと思うと・・・
「残念だが、これでは勝てないね」
その身体が回っているエネルギーも利用して、俺の首元に蹴りを打ち入れる。
ビキッ
「ぐっ・・・くそ・・・」
致命傷になるような一打ではない。しかし、身体に力が入らず俺は動くことができない。しかもそれだけではない。突然口から血が溢れてきて、心臓が大きな音を立てているのがわかり、そこを抑える。
「なんで・・・俺が・・・」
傷はつけてはいるが相手は明らかにダメージを受けていない。それなのに俺は完璧なカウンターを受け、立っていることもできなくなりその場に膝をつく。
「考えもなくただがむしゃら。期待していただけに、残念だ」
動くことができない俺を見下ろす天使。その目はまるで蔑むような、冷酷な目をしていた。
シリルside
「レオン!!」
その場で膝をついて動かないレオンへと駆け寄る。天使はそんな俺たちに気が付いているようだ
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