第八十三部第三章 今だ目覚めずその四十
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だがバリアーに機雷、コロニーレーザーや防衛惑星や衛星と艦隊で固められた防衛ラインを見て言うのだった。
「中々見事だ」
「迂闊にです」
モニターからムーアが言ってきた。
「攻撃を仕掛けますと」
「痛い目を見ることになる」
「こちらが」
「そうなるからだ」
それが明らかだからだというのだ。
「ここはだ」
「通常艦艇はですね」
「動かない」
まずはというのだ。
「だが何時でもだ」
「動ける様にしておく」
「あの艦艇が奇襲を仕掛けてだ」
「そうしてですね」
「敵の防衛ラインを乱せばな」
その時はというのだ。
「そこでだ」
「通常艦艇を移動させますね」
「そうしてだ」
「総攻撃ですね」
「あの艦艇の攻撃は続けさせる」
通常艦艇が攻撃に加わってからもというのだ。
「見える戦力でも見えない戦力でもな」
「両方で、ですね」
「攻撃を仕掛けてだ」
その様にしてというのだ。
「そしてだ」
「敵の防衛ラインを破りますね」
「そうしていく、敵の動きを見ると」
アッディーンが見る限りはだ、これは彼程の軍事的才能があってはじめてわかることでありそれで言えた。
「まだ、だ」
「シャイターン主席は戦場におられない」
モニターにマトラも出て来て言ってきた。
「左様ですね」
「そうだ、あと少しでだ」
「インフルエンザもですね」
「治ってだ」
そうしてというのだ。
「戦場に復帰するだろうが」
「今は、ですね」
「シャイターン主席は戦場にいない」
「軍の動きが違いますね」
「主席の采配はこんなものではない」
シャイターン、彼のそれはというのだ。
「寸分の隙もない」
「今の布陣以上に」
「今の布陣も見事なものだがな」
いい防衛陣地を敷いているというのだ。
「通常艦艇での突破には大きな犠牲が必要なまでにな」
「堅固ですね」
「しかしだ」
「シャイターン主席の布陣は」
「あの艦艇を使おうとも」
例えそうしようとも、というのだ。
「付け入る隙はあまりなく、しかもだ」
「即座にですね」
「あの艦艇のことにも気付いてな」
そのうえでというのだ。
「対してくる」
「そうしてくるので」
「だからだ」
「シャイターン主席の不在がですか」
「私にはわかる、インフルエンザは五日は安静にしないといけない」
このことはこの時代でも同じだ、ウィルスのことがあるのでどうしてもそれまでは隔離され安静でないといけないのだ。
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