第六百八十九話 作って食べるとその十三
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「カナダだってそうだし」
「それで働かないで」
「ふんぞり返ってばかりなんてね」
「私不思議で仕方なかったわ」
クララも言ってきた。
「あの人見たらね」
「そうしたらだね」
「確かにふんぞり返っていたから」
話の通りにというのだ。
「何でかね」
「そうだったからだね」
「何で何もないのに」
それでもというのだ。
「偉そうでね」
「実際に偉いと思っていたしね」
「それもこの世で一番なのか」
「わからないんだね」
「この世で一番ってことは」
そう思うことはというのだ。
「キリストよりもだよね」
「そうなるね」
ベンも否定しなかった、キリスト教の教えでは何といっても神そしてキリストが尊いとされているからだ。
「やっぱり」
「教会に文句も言ってたし」
「何で自分をキリストより偉いって思えるか」
「全くわからないわ」
こう言うのだった。
「どんな偉い人も」
「キリストよりはね」
「偉いかっていうと」
「違うね」
「今生きている人でも」
クララはさらに言った。
「素晴らしい人一杯いるでしょ」
「そうだね」
「他の国の人だけれど」
こう前置きして話した。
「ケベックの王様なんて」
「立派だよね」
「デブとかいつも言われて」
「それでも笑って済ませてね」
「真面目に公務されてるから」
「素晴らしい人だね」
「そのケベックの王様より偉いの?」
首を傾げさせつつ言った。
「その人」
「違うよね」
「何もしてないのにね」
「偉い筈ないしね」
「それもこの世で一番とか」
「有り得ないね」
「それってあれでしょ」
クララは眉を顰めさせて話した。
「厨二病」
「それだね」
「それは十代だからなるもので」
「五十過ぎたおじさんがなるとね」
「馬鹿の極みでしょ」
「そうだね」
「人間そうはなりたくないわね」
心から思って言った。
「本当に」
「全くだね」
ベンも頷いた、そうした話もしてだった。
サンドイッチの話を再開した、そして作る準備に入った。
作って食べると 完
2022・10・24
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