第六百八十九話 作って食べるとその十
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「感謝しないで文句ばかりで」
「何かね」
ルーシーが言ってきた、その目はこれ以上はないまでに汚いものまさに汚物の中の汚物を見たことを思い出す目だった。
「お料理作ってもらっても」
「自分では作らないでだね」
「主夫もしないで」
「奥さんが働いて」
「それで帰ってきてね」
仕事からというのだ。
「それで作ってもらって」
「感謝しなかったんだね」
「味にいつもね」
それこそというのだ。
「甘いとか辛いとか」
「文句ばかりだったんだ」
「しかも何も出来なくて」
「そうした人だとね」
「二十年近く一緒だったけれど」
それだけ結婚生活を続けていたがというのだ。
「遂によ」
「愛想尽かされてだね」
「出て行かれたのよね」
「その展開も駄目過ぎるね」
ベンは心から思って言った。
「本当にね」
「勿論二十年近く養ってもらっていても」
「感謝しなかったんだね」
「もう誰が何をしても」
「感謝しなくて」
「文句ばかりで」
「しかも自分は何もしない」
文句を言うだけでなくというのだ。
「努力もしない」
「そんな人だとやっぱり」
「誰も匙投げるね」
「どうしようもないってね」
「事実そうなって」
誰からも見捨てられてというのだ。
「それでだよ」
「今は行方不明ね」
「こんなのでふんぞり返っていたっていうから」
「何も出来ないし持ってないのに」
「所謂ニートで」
そう言われる立場でというのだ。
「何でかね」
「ふんぞり返っていて」
「いつもね」
「それで恩知らずで」
「尚且つ図々しくてね」
「人のお家で平気で大飯食べて」
「泊まってお風呂も入って」
そうしてというのだ。
「朝ご飯までたらふく食べて」
「お母さんからお金貰って帰る」
「人の部屋で勝手に本まで漁ってだよ」
「有り得ない位にゴミね」
「ゴミ過ぎて」
その為にというのだ。
「誰からもだったんだよ」
「教会の悪口も言うなら」
「教会もね」
「見捨てるわね」
「その教会にもだよ」
文句を言っているそこにもというのだ。
「寄進もしないのに」
「それでもなのね」
「食事会とかあったら」
「来て」
「それでお腹一杯食べてたからね」
「周り嫌だったでしょうね」
「物凄く嫌な顔で見られていたそうだけれど」
それでもというのだ。
「平気だったらしいよ」
「無神経でもあったのね」
「もういいところがね」
それこそというのだ。
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