第01部「始動」
第09話
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のぎの言葉を連ねていく。浮気がばれたときの言い訳のように聞こえるわね。
「………」
「ラピス。マスターが、帰ったらお出かけに連れて行ってくれるらしいですよ」
「…おでかけ…」
嬉しそうに言ったと思ったら視線が沈む。きっとラムダが彼とリンクしているのを気にしているのね…かわい……
「…助かった」
--
「応答は?」
「ありません」
…ちっ。どうする?このままだと埒があかない。いかに軍艦の進路妨害とはいえ、此方から攻撃すれば問題になる。
かといっても、我々だけでは手に余るか。前方の艦は少なくとも10隻以上。小型を含めると倍か。
「…2番艦と3番艦に通達。進路を右舷へ出方を見る。あとエネルギーチャージも忘れるな」
「しかし、それでは司令の命令に背くことになります!」
…そんなことは分かっている。この任務は時間厳守。どんなことがあっても定刻通り、そして予定通りに任務を遂行しろ。
それが、この任務を任命されたときに下された内容だった。受けたときには何のための念押しか理解できなかったが、もしこのことを予測していたのだとすれば…嫌われたものだな。
自身が余り上役に好かれていないのは分かっていたが、もしもこれが予測済みの事態だとすれば相当のものだ。
「…復唱はどうした」
「!2番艦、3番艦に通達。進路を右舷へ」
オペレーターが通信を開始する。
…これでもし、俺の予測が正しければ反応するはずだ。ウサギは罠に掛からない。ではどうする?
その答えは進路を変えて数分後にやってきた。
「前方の艦よりエネルギー反応」
「全艦ディストーションフィールド展開」
やはり撃ってきたか。だが焦りすぎだな。この距離では撃てない艦もいれば、当てられない艦もいる。大型艦のグラビティブラストにさえ気をつければ。
黒い閃光が通り過ぎる。当たったのは小回りの利く小型艦からの砲撃だけだ。大型艦は、エネルギーを主砲に集中しすぎたせいで艦の動きが遅かったみたいだな。
「全艦回頭。月へ進路をとれ。」
「!全艦に通達進路を月へ!急げ!!」
ここはまだ月に近い。このまま逃げ切れれば…
「艦長!第2格納庫のハッチが開きます!動力反応はエステバリスが1機。応答しません!」
なっ!
--
『駄目ですマスター!』
『大丈夫だ』
ラムダの静止が響く。
部屋の解錠をラムダに任せ、俺は昨日用意しておいた荷物を取り通路を走った。
ラムダから渡されるルートに沿って、誰にも見つからずに予定通り格納庫に着いた。
後は小型船を奪って脱出すればいい。だが、そう出来ない理由が出来た。
エステバリスに乗り込もうとする俺に、ラムダが何か言ってくるが俺は調べないといけない。
『今なら艦の追っ手からも逃げやすいです。単機で何をする気です
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