第六十八話 夏の服なのでその十一
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「だから食べることにもね」
「苦労しないのね」
「今のアメリカはね、だからオムライスも入ればね」
「尚いいのね」
「そう思うわ、しかしオムライスが大阪発祥っていうのは」
難波の方の洋食屋ではじまったという。
「面白いわね」
「大阪って色々な食べものあるけれどね」
「食いだおれの街だけあってね」
「それでね」
まさにその名に相応しくというのだ。
「たこ焼き、お好み焼き、焼きそばに」
「モダン焼きもあって」
「きつねうどんにバッテラにね」
「蟹も河豚もどて焼きもあるわね」
「串カツもあるし」
「そこによ」
「オムライスもあるから」
だからだとだ、二人で話した。
そしてアメリカから来た娘は咲に対してしみじみとした口調になってそのうえで理虹に言うのだった。
「大阪はいいわ、一度じっくりとね」
「大阪で食べたいの」
「何でもね」
こう言うのだった。
「じっくりとね」
「いいわね」
理虹はそれはと応えた。
「そう言われたらね」
「そうでしょ」
「大阪はね」
まさにと言うのだった。
「食道楽、食い倒れのね」
「街でね」
「美味しいものがね」
「これでもかってあるわね」
「大阪でまずいお店はね」
それこそというのだ。
「ないわ」
「そう言っていいわね」
「間違いなくね」
「いいわね、これがね」
「これが?」
「アイルランド料理だとね」
「またその国ね」
「いや、お料理の献立自体がね」
その時点でというのだ。
「質素な素材と味付けで」
「まずいの」
「そう言っていいわよ」
「だからアイルランドの子達もお料理言わないのね」
「自国の言わないでしょ」
「うちの学校あの国からも来てるけれど」
学生だけでなく教員や職員でもだ、八条学園はまさに北朝鮮以外の全ての国の人間が来ているのだ。
「それでもね」
「まずいとしか言わないでしょ」
「ええ、それにね」
理虹はさらに言った。
「何でもアイルランドのこと書いた本でも」
「お料理はね」
「全くね」
それこそというのだ。
「いいこと書いてないみたいだし」
「あの食べもののまずいイギリスの中でもよ」
「特にまずいのね」
「そんな国だから」
それでというのだ。
「お料理はね」
「まずいのね」
「アメリカでもね」
アイルランド系は多いがというのだ。
「アイルランド料理はね」
「食べないのね」
「まあ懐かしいね」
そうしたというのだ。
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