第六十八話 夏の服なのでその七
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「別のお料理だって」
「でしょ?洋食だってそうでしょ」
「洋食も日本料理のジャンルの一つってね」
「言われるわね」
「ハンバーグとかナポリタンとか海老フライとかね」
そうした料理達がというのだ。
「オムライスだって」
「オムライス他の国にはないから」
アメリカから来た娘も唐揚げを食べつつ答えた。
「あれ大阪生まれらしいわね」
「そうみたいなのよね」
「メイド喫茶でもよく出るみたいだけれど」
「ケチャップで字書いてもらってね」
「萌え萌えキュンから食べる」
そうしたというのだ。
「お料理だけれど」
「大阪で生み出されて」
「それで日本に定着した」
そうしたというのだ。
「お料理よ」
「そうであって」
「他の国にはね」
「ないのね」
「私も好きだけれどね」
そのオムライスはというのだ。
「オムレツの中にね」
「薄い生地みたいになっていて」
「その中にチキンライスがあるなんて」
そうした料理はというのだ。
「他にないわ、けれどそのオムライスも」
「日本のお料理かっていうとね」
「違うのね」
「そう思うわ、洋食はね」
「いや、洋食もラーメンもね」
「日本のお料理なのね」
「特にカレーはね」
カレーライスはというのだ。
「まさにね」
「日本のお料理ね」
「元はインドの食べものでも」
それでもというのだ。
「独自の進化を遂げた」
「そうしたものなのね」
「そうよ、もうね」
それこそというのだ。
「カレーはカレーで」
「日本のお料理なのね」
「そもそも牛肉入ってるでしょ」
ビーフカレーの話をした。
「それはね」
「インドにはないからね」
「ヒンズー教だからね」
「牛肉食べないのよね」
「そうよ、牛は神聖な生きものだから」
神の使いとされ中に多くの神が宿っているとさえ言われている、それに農業に用いることが出来てミルクも提供してくれる。だから殺すこと自体しないのだ。
「それでよ」
「インドでビーフカレーはないわね」
「若しインド人に出したら」
「洒落にならないからね」
理虹もそれはと応えた。
「だからね」
「もうね」
「明らかにインド料理じゃないわね」
「そうでしょ」
「あれなのよね」
アメリカから来た娘に飲みつつ話した。
「日本のカレーってインドから直接じゃなくて」
「イギリスからでしょ」
「当時インドはイギリスの植民地で」
十九世紀後半のことである。
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