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神々の塔
第八話 生贄の神々その五

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「試練を与える」
「そうか、ほなな」
「今から行くぞ」
「戦わせてもらうわ」
 トウェインは確かな声で応えてだった。
「十人でな」
「そうだ、十人で全力で来てだ」
 まさにその様にしてというのだ。
「我等を倒すのだ」
「ほなな」
「来るのだ」
 クマゾッツは重厚な声で告げた、ここからまたしても神々との戦いがはじまった。綾乃達は今度は十人全員でだった。
 一柱の神と戦った、今回も激しく辛い戦いであり。
 十人とも深い傷を負い死力を尽くして戦い勝っていた、その中でだった。
 コヨルショウキの攻撃にだ、トウェインは思わず言った。
「くっ、術やなくても普通に隕石を出すか」
「それもかなり速いね」
 綾乃も言った。
「普通の隕石よりも」
「出るのも隕石の速度もな」
「しかも数も多いし」
 隕石のそれもというのだ。
「まさに流星雨やで」
「これはな、そういえばや」
 トウェインはミョッルニルで上から来た隕石の一つを完膚なきまで粉砕し消し飛ばしてから言った。
「コヨルショウキは星の女神やったわ」
「そやったね」
「それでやな」
「隕石を自在に操るんやね」
「この通りな」
「ほんま流星雨でや」
 羅もその攻撃の中で言った。
「そう簡単にはな」
「動けんね」
「ああ、攻撃だけやなくてな」
「防御にもなってるわ」
「攻撃をしようにも」
 羅は青龍偃月刀を手に忌々し気に前にいる女神を見て話した。
「隕石が多過ぎるわ」
「隕石のカーテンやね」
「まさにな」
「そうやさかいな」
「これは容易には攻められんわ」
 羅は忌々し気にこうも言った。
「ほんまな」
「そやね、けどやり方はある筈やから」
「ここで諦めんことやな」
「そうすべきやで」
「雨はどう防ぐか」
 リーは鋭い声で言ってきた。
「それやな」
「さて、この女神様だけれどね」
 アレンカールはリーに話した。
「何故星の女神様になったか」
「死んで母神に星に祀られたからやな」
「そうよ、母神が子供を産むことに反対して抗議して邪魔しようとしたら」
「産まれたその神様に首刎ねられたな」
「山の頂上でそうなってよ」
「亡骸は山を転がり落ちたな」
「そうなったわ、それで星の女神様になったけれど」
 それでもと言うのだった。
「弱点はね」
「首ということか」
「いえ、落ちることよ」
「落ちる、そうか山の頂上からか」
「つまり隕石の攻撃は激しいけれど」
「上から落ちることにはか」
「弱い筈よ、つまりは」
「地震やね」
 綾乃はその目を光らせて言った。
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