第六十八話 夏の服なのでその六
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「鶏の」
「そうそう、ご飯にも合ってね」
「お酒にもで」
「いい食べものよね」
「正直かなりいいわよね」
「こちらも」
「そうよね、それでね」
部活仲間達にさらに話した。
「お醤油とレモン汁かけて」
「そうそう、レモン汁」
「それは必須よね」
「何と言ってもね」
「この辺りって柑橘類豊富だし」
瀬戸内はというのだ。
「柚子だけでなくてね」
「愛媛は柚子だけれどね」
「通称柚子県とか言う位だしね」
「香川はうどん、徳島は阿波踊りで高知は鰹」
「それで愛媛は柚子なのよね」
「唐揚げに柚子も悪くないと思うけれど」
それでもとだ、理虹は言った。
「丁度レモンあるし」
「レモン汁かけて」
「お醤油もね」
「それで食べましょう」
「唐揚げもね」
「そうしましょう」
笑顔で言ってそうしてだった。
理虹は夕食に入った、仲間達と一緒にいただきますをしてからだった。
その唐揚げに海の幸でご飯を食べてその後で酒を飲みはじめた、見れば唐揚げは山積みになっていてビュッフェの様に取ることが出来た。
それで理虹もかなり取って食べたが。
「最初フライドチキンみたいかしらって思ったら」
「違ったでしょ」
「ええ」
昼に話したアメリカから来た娘はこう返した、この娘も浴衣姿である。
「食べたらね」
「また違うでしょ」
「同じ揚げものでもね」
鶏のというのだ。
「けれどね」
「それでもでしょ」
「唐揚げは唐揚げで」
「また別でしょ」
「そうよね、あとね」
「あと?」
「これ日本のお料理でしょ」
アメリカから来た娘はこうも言った。
「唐揚げは」
「いや、中華料理でしょ」
理虹はその唐揚げを食べつつ応えた。
「唐だしね」
「唐って言うと京都ね」
「日本のは竜田揚げでね」
こちらの料理でというのだ。
「唐揚げはね」
「中華料理ね」
「そうでしょ」
「日本人って自分の国にあるものすぐにそう言うわね」
「そう言うって?」
「だから他の国に起源があるものは」
そうしたものはというのだ。
「その国のものだって言うわね」
「唐揚げにしろそうで?」
「ラーメンでもね」
「ラーメンも中国でしょ」
「うちの学校中国人も多いけれどそう言ってないでしょ」
「それね、ラーメンは和食だってね」
その様にとだ、理虹も答えた。
「言われるわ」
「そうでしょ」
「元は中国の麺料理でも」
このことは事実だがというのだ。
「その拉麺とね」
「ラーメンはまた違うわよ」
「何か日本で独自の進化を遂げた」
そうしたというのだ。
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