268 人質解放の駆け引き
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さりは尋ねた。
「そうですね。しかし、こちらも少しずつ領土を取り戻しつつあります。引き続き気を緩めません方がいいですわね」
房子達は強制的に戦争主義の世界の本部に戻された。
「くう、あと少しで平和主義の正義の長を討ち取れると思ったのに・・・」
「しかし、総長、西川と佐々木は取り返せたのでそこはよしとしますか・・・」
「そうね、また皆で戦えるわ。次こそは捕虜にされないようにするのよ!」
「ところでレーニン様はどちらへ行かれたのか?」
トロツキーは周囲を見回した。
「まあ、トランシーバーで聞いてみましょう」
房子はレーニンと通信した。
「こちら重信房子。レーニン様、平和を正義とする世界の長は倒せませんでしたが佐々木規夫と西川純の奪還に成功しました」
『そうか、こちらは東部の方へと向かっている。ご苦労だったな』
「レーニン様、そちら援軍はいりませんか?」
『ああ、付近にも味方はいるからな』
「そうですか。失礼致します」
連絡は終了した。
「兎に角、次の手に移ってやり直すのよ。杯を取り返そうとしている馬鹿達や杖の持ち主達も近くまでうようよしてきているから」
レーニンと杉山は東側へと進む。
「そうか、西川純と佐々木規夫を取り返したか。もう人質を取られるような事はされてたまるか」
(人質解放したか・・・。フローレンス達も情けを見せたって事か・・・。さすが『あの世界』らしいやり方だぜ)
杉山も心の中では平和主義の世界の人間を称賛していた。しかし、完全に寝返ったのか、まだかよ子達の味方である自覚は残っているのか、それは本人にしか分からない。
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