第八話 記憶その七
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「親睦深めような」
「それではね」
「ああ、ただな」
「ただ?どうしたのかしら」
「何かな」
空汰は嵐に微妙な顔になって話した。
「他にも来そうやな」
「他にも?」
「何かそんな気がするわ」
「私達以外といいますと」
護刃は空汰のその言葉を聞いて言った。
「もうです」
「あれやな」
「はい、封真さんとですね」
「妹さんだけや、小鳥ちゃんって言うたな」
「お二人はお邪魔しますから」
「もうな」
それこそというのだ。
「最初からやな」
「来られますね」
「その時は是非な」
「入ってもらいますね」
「そうなるわ、ただな」
それでもとだ、空汰は述べた。
「誰が来ても戦いやないから」
「仲良くですか」
「しよな、戦う時以外はな」
空汰は護刃に麻婆豆腐をおかずとしてご飯を食べつつ話した、見ればおかずは他にはピータンがある。
「平和でええねん」
「そうですよね、戦うこともなく」
「わいなんか実は地の龍の兄さんとや」
「遊人さんですね」
「その人と一緒にお好み焼き食うたことあるさかい」
「地の龍の人達ともですか」
「別に戦う必要のない時はな」
そうした時はというのだ。
「仲良くしたらええやろ」
「世界を賭けて戦っても」
「ああ、お互い人間やしな」
それ故にというのだ。
「特にな」
「そうですか」
「ああ、まあそういうことでな」
「これからですね」
「神威と一緒にな」
「桃生神社で、ですね」
「親睦深める準備していこな」
「わかりました」
護刃は空汰の話にいつも通りの明るい笑顔で応えた、そうしてだった。
この日彼女は空汰それに嵐と共に麻婆豆腐もピータンも楽しんで食べた、そのうえで入浴の後で気持ちよく寝てだった。
朝はクランプ学園に登校してだった。
夕方街に出て遊ぼうとするとだった。
スパッツにシャツで競技用の自転車に乗って軽快に歩道橋を進んでいる颯姫と出会った、するとだった。
颯姫は護刃の傍にいる犬鬼を見て自転車を停めて言った。
「その子は」
「犬鬼が見えるんですか?」
「ええ、貴女まさか」
「まさか?」
「悪い印象は受けないわね」
護刃を冷徹なまでに落ち着いた目で見つつ述べた。
「別に。けれど」
「けれど?」
「いいわ、また会いましょう」
護刃にあらためて告げた。
「そうしましょう」
「そう、ですか」
「私はトレーニング中だし」
「自転車のですか」
「ええ、今日は自転車を使ってね」
そうしてというのだ。
「トレーニングをしているの」
「そうですか」
「体力も必要だから」
ビーストを動かすことを考えつつ答えた。
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