SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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んできちゃちゃゃ」
そしてイチはまたも全身が真っ赤になり、手足をバタバタしながら噛みまくり始めた。誰がどう見てもなにかに対して混乱している様子で、なにかと勘違いしていた。
…………イチの視線先には、兄と子供を抱えたアスナ……うん、だろうね。
よく考えたら、事情を知らない人が男女と子供を組み合わせれば、どう見ても親子しか見えない。私だって事情は知らないとはいえど、二人の子供だと間違えてしまった。だからイチも、兄とアスナのがユイちゃんのという子供を産んだんだと勘違いして動揺し始めた。
「イチさん落ち着いて、そういうのじゃないから!」
「えっ……?」
アスナは事の経緯をイチに話し始めた。
●
「すみませんでした…………」
「もう謝らなくていいから。謝ったら斬るわよ」
「あ、はい。ドウセツさんすみません!」
「謝っている」
「は、はい!」
「斬る」
「すみませんでした!」
アスナがイチに事の経緯を軽く話した後、落ちついて話しをするために礼拝堂の右にある小部屋へ移した。
「ドウセツ……あんた、イチの性格をわかっていながらも煽っているよね」
「そうよ」
「そうよって……」
いや、そこ認めちゃったら駄目でしょ。
「あの……イチさんの言うには、人を探してらっしゃると言うことでしたが……」
向かい側のイチの隣に座っている、サーシャさんと言うメガネをかけた女性が首を傾けて伺ってくる。その説明役は代表として、アスナが話し始めた
「この子達、二十二層の異なる場所で迷子になって、記憶を失くしているみたいで……」
「まあ……」
サーシャさんは口に手を添えて、大きな深緑色の瞳がメガネの奥で見開いた。
「装備も服以外はなんにもなくて、上層で暮らしたとは思えなくて……それで『はじまりの街』に保護者とか、この子達のことを知っている人がいるんじゃないかと思いまして探しに来ました。こちらに教会に子供達が集まって暮らしていると聞いたものですから……」
イチは私達が軍ではないことをサーシャさんに告げた時の間、上は十四歳、下は十二歳の少年少女のプレイヤーを拝見できた。きっとここなら、スズナやユイちゃんのことをなにか知っていると思っていたが果たして……。
「そうだったのですか……」
サーシャさんは両手でカップを包み込み、視線をテーブルに落として口にした。
「この教会には二十人くらいの小学生から中学生くらいの子供たちが暮らしています。多分、この街にいる子供プレイヤーは全員だと思います……」
声は細く、けどはっきりした口調でサーシャさんは話し始めた。
「それくらいの子供達のほとんどはパニックを起こし、多かれ少なかれ精神的に問題になっ
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