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八条学園騒動記
第六百八十八話 オーストラリア人としてその十一

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「駄目らしいよ」
「熊に毒あるの?」
 クララは兄の話に首を傾げさせた。
「聞かないけれど」
「何でもビタミンAが多過ぎて」
「それでなの」
「食べるとショック症状になって」
 それでというのだ。
「毒になるらしいよ」
「そうなの」
「普通肝臓が栄養の塊で」
「食べると健康にいいのよね」
「けれどね」
 それがというのだ。
「熊の肝臓はね」
「ビタミンが多過ぎて毒なのね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのだ。
「気を付けないとね」
「駄目ね」
「うん、若し食べる機会があっても」
 その時が来てもというのだ。
「それでもね」
「食べないことだね」
「カナダでも食べてないみたいだしね」
 熊の肝臓はというのだ。
「連合って食べるとなれば何でも食べて」
「カナダもそうよね」
「声以外全部食べる」
 トブが言ってきた。
「そうしたお国柄だからね」
「内臓だって食べるね」
「そうだよね、特に熊っていうと」
 トブはこの生きものを食べるにあたってさらに話した。
「掌だね」
「中華料理だと特に有名だね」
「珍味だってね」
 この時代でも中華料理でも極めつけの珍味の一つとされている、その為上等のものだと高額で取引される。
「言われているね」
「うん、それで内臓もね」
「食べられていて」
「カナダでもだね」
「調べたら」
 ベンはスマートフォンで実際にそうしてから話した。
「実際にね」
「カナダでも食べてるんだね」
「うん、けれどね」
 それでもというのだ。
「肝臓はね」
「食べていないんだ」
「種類によるけれど」
「内臓で肝臓は一番食べる場所だけれど」
「それでもだよ」
「そうした事情があるから」
「食べないみたいだよ」 
 実際にそうだというのだ。
「これがね」
「そうなんだね」
「うん、やっぱりね」 
 何といってもというのだ。
「熊の肝臓はね」
「種類によっても」
「食べたら駄目だよ」
「毒になるから」
「毒は食べたらいけないよ」
 絶対にとだ、ベンは弟に話した。そのうえでカナダの独特なサンドイッチのことをさらに話していったのだった。


オーストラリア人として   完


                    2022・10・16
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