第六十七話 阪神の勝利を聞いてその十四
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「無茶苦茶強いし」
「猪八戒さんや沙悟浄さんもいて」
「いざとなれば神様仏様も助っ人に来てくれるし」
「負けることはね」
「考えられないから」
西遊記という作品はというのだ。
「だから最後もね」
「大団円ね」
「皆神様にも任じられてね」
道教のそれにだ。
「そのうえでね」
「いい結末ね、まあ西遊記はね」
「玄奘さんが唐に戻ることは決まってるし」
元になっている歴史でそうなっているからだ。
「孫悟空さんも滅茶苦茶強いから」
「それじゃあね」
二人で酒を浴びる様に飲みつつ話していく。
「完全なハッピーエンドもね」
「当然のことで」
「それでよしとならないと」
「駄目な作品ね」
「逆にね」
西遊記の場合はそうだというのだ。
「途中で誰か死んだり」
「何も得られないとか」
「そうした風だとね」
「駄目よね」
「そうよね」
二人でこう話した、そしてだった。
富美子はさらに飲みつつだ、こうも言った。
「思えば人生もね」
「百点満点のハッピーエンドはなのね」
「ないんじゃない?」
こう言うのだった。
「結局は」
「何処かで何かあるから」
「そう、その途中も終わりもね」
「百点満点はなくて」
「それでもね、満足出来たら」
死ぬ時にその人生にというのだ。
「ハッピーエンドでしょ」
「その人生が」
「そうも思うわ」
「そうなのね」
「ええ、まあ巨人は最悪のバッドエンドが続いて」
毎年そうでというのだ。
「阪神はね」
「最高のハッピーエンドね」
「とはいってもどうしても怪我する人やここでこうすればよかったとか」
「そんなことも付きものね」
「あの時あの人がいてくれたらとか」
試合展開を観てだ。
「どうしても思うし」
「最高のハッピーエンドでも」
「最高と百点満点はまた違うし」
「何もかもいいことばかりとはなのね」
「世の中いかないものね」
阪神でもとだ、こう話してだった。
富美子は中国から来た娘とさらに飲んだ、そして次の日の朝は二日酔いになり風呂ですっきりしたのだった。
第六十七話 完
2022・12・23
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