第六十七話 阪神の勝利を聞いてその十
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「実はね」
「そこは憎めないわね」
「けれど司馬懿さんはね」
翻って彼はとだ、富美子に話した。
「明るいイメージないでしょ」
「陰気って言うとね」
「そうでしょ」
「何かね」
富美子も否定しなかった。
「そんな感じね、残忍で」
「曹操さんは人殺してもね」
「陰惨な感じしないわね」
「日本だと信長さんでしょ」
「そういえばイメージ重なるわ」
織田信長と曹操孟徳はとだ、富美子も言った。
「何処となくね」
「私演義の曹操さんの生まれ変わりがね」
「信長さんなの」
「そうも思うわ」
「まあ似てるって言うとね」
「そうでしょ、人を殺してもね」
「違うわね」
「けれど司馬懿さんは」
ここで彼のことを強く言うのだった。
「陰気で陰惨で」
「そんな風で」
「人気がないから」
「演義でもそうね」
「だから演義は孔明さんが死んだら」
その後の話はというのだ。
「あまりね」
「面白くないのね」
「消化試合みたいに進んでいって」
そうしてというのだ。
「面白くないのよ」
「そういうことね」
「何か日本では姜維さんが主役の作品あったわね」
「そうなの」
これは富美子は知らず今知ったという反応だった。
「そんな作品あったの」
「柴田錬三郎さんだったかしら」
この作家のというのだ。
「書いてた筈よ」
「そうなのね」
「正直孔明さんが死んでるから」
「面白くなさそうっていうのね」
「そう思うけれどね、孔明さんが生きていた頃より」
そうだというのだ。
「私としては」
「そうかもね、ゲームでもどうやら」
「孔明さん死んだら」
「その後はね」
「面白くないでしょ、何かそれからの展開もシナリオにあったりするけれど」
孔明が五丈原で死んだ後のというのだ。
「それでも」
「そうでしょうね、面白いのはね」
富美子は中国から来た娘に答えた。
「孔明さんがいたらで」
「それで孔明さんまでに出て来た人達ね」
「劉備さんとか曹操さんがいて」
「それで面白いのに」
それでもとだ、中国から来た娘も言った。
「姜維さん司馬懿さんとかだと」
「弱いのね」
「キャラに魅力がなくて」
それ故にというのだ。
「面白くないでしょ、ちなみに司馬懿さんって中国でも創作ではね」
「いつも悪役?」
「もうね、しかもさっき話したけれど曹操さんと比べたら」
「魅力が落ちて」
「その子供の」
「司馬師さん司馬昭さんね」
「この二人はね」
彼等もまた晋では非常に重要な歴代の皇帝に列せられるまでの人物である。当然司馬懿が祖とされている。
「もっとよ」
「人気ないのね」
「そうなの、家臣の人達も」
司馬師、司馬昭のというのだ。
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