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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアGX編
北上透の何気ない一日
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まった事への非を認め謝罪する3人に、透は何があったのかとクリスに視線を向ける。端的に言ってもカオスなこの状況に、クリスはただ乾いた笑いを浮かべるしか出来なかった。
***
その後、何とか透が不良3人を宥めすかして帰ってもらう事に成功した訳だが、この時点でもう精神的に疲労困憊となっていたクリス。彼女をこのまま引っ張っていく訳にもいかないので、休憩も兼ねて近くの喫茶店に入りそこで響達は詳しい事情を聞きだした。
「えっと、クリス? さっきのアレ何?」
「カミトオ先輩が何であんな不良に慕われてるんです?」
「何かあったんですか?」
口々に疑問を口にした未来達に、クリスは盛大に溜め息を吐き口を開いた。
「あ〜……透がリディアンの近くの高校に通ってるのは知ってるか?」
「うん、知ってるよ」
S.O.N.G.の一員である透には本当であればリディアンに通ってほしかったのだが、あそこは飽く迄女子高であり男子である透を入れる訳にはいかない。これがラノベの世界であれば、超々特例で共学化の為のなんちゃらと称して捩じ込む事も出来たのだろうが、そんな甘い話がある訳もなく透は無難にリディアンから近い所にある共学の高校へと通っている。
そこはリディアンと違い、良くも悪くも普通の高校。つまり、一定数の不良も存在するようなところであった。
そんな所へ急遽転入した透は、当然の様に色々な意味で目立った。喉を傷付けられ喋れない上に、その痛々しい傷跡を見せないようにと制服の上から首にスカーフを巻く独特のスタイルは転入生という事も相まって注目の的となっていたのだ。
そうなると当然良からぬ輩が絡む事もある。目立つ者を放っておけない、他人に対し平然と悪意を向けられるような生徒達から、透は虐めに等しい扱いを受ける事もあった。
しかし相手は透である。菩薩の生まれ変わりかと言う程善意の塊と言っても過言ではない彼は、同時にウィズですら舌を巻くほど超合金のメンタルを持っていた。生半可な虐めで今更心を傷付けられる事も無く、平然と受け流し続けていた。
これで透が少しでも何か堪えている様子を見せたのなら、やり返してこない事に相手は更に調子に乗っていただろう。だが繰り返すが、相手はあの透である。サンドバッグとかそう言うレベルではなく、鉄壁の城壁を殴るかのような感覚に透への悪意が無意味であると感じ、その多くは彼に関わるのを止めた。
そして虐めが一段落すれば、そこからは普通の学生生活が待っていた。前述の通り透は善意の塊なので、裏表のない厚意に男女問わず次第に慕われるようになっていった。或いは虐めに晒されても全くぶれないその姿勢に感銘を受けた者も居るのだろう。
そんな中で、透がクリスと付き合っている事が知られるように
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