第十二幕その三
[8]前話 [2]次話
「僕もだよ」
「学ぶのに苦労したんだね」
「そうだったよ、一番学ぶのに苦労した言語だよ」
「先生がそう言うんだから凄いね」
「うん、けれどずっと日本にいてね」
そうしてというのです。
「今では頭の中で考える言葉もだよ」
「日本語だね」
「そうなっているよ」
実際にというのです。
「今ではね」
「それ僕もだよ」
「僕もです」
王子もトミーも言ってきました。
「最近はです」
「日本語で考える様になっているよ」
「そうなったのも」
「日本にずっといるからだね」
「そうだね、実は僕は来日してから暫くは頭の中では英語で考えていたんだ」
先生はこのことをお話しました。
「そうだったんだ」
「それは当然だよね」
「先生元々イギリス生まれでね」
「イギリスで育ってきたし」
「それは当然だね」
「英語で考えるのは」
皆も言います。
「イギリスにいるとね」
「やっぱりそうなるよ」
「他の言葉を喋られても」
「そうなるね」
「そう、頭の中で思考に使う言葉はね」
それはというのです。
「生まれ育ってきた国の言語であることが普通だね」
「それで先生は英語で考えていたけれど」
「それはだね」
「今はだね」
「日本にいて長くなっているから」
「日本語で考えているよ」
そうなっているというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「今の先生はね」
「日本語でものを考えているわね」
「そうなったよ、そして思考に使う言葉によってね」
それ次第でというのです。
「同じ人が同じことを考えても結論が違ったりするんだ」
「それ凄いよね」
「同じ人が同じことを考えてもね」
「思考に使う言語が違うなら結論が違うなんて」
「そうなるなんてね」
「驚くことだよ」
「そうだね、それで今の僕は日本語で考えているから」
だからだというのです。
「英語で考えている時とはね」
「同じことを考えていても」
「結論が違っていたりするのね」
「先生にしても」
「そうなんだ、ただサラは頭の中で使っている言葉は」
それはといいますと。
「英語だろうね」
「そうでしょうね」
「何だかんだでイギリスにいるしね、サラさん」
「日本にはよく来ても」
「それでもね」
「そうだろうね、じゃあサラが来たら」
先生は笑顔で言いました。
「山形のお菓子をあげよう」
「そうしようね」
「沢山買ったしね」
「サラさんにもプレゼントする予定だったし」
「その分もあるしね」
「あげようね、それとね」
先生はこうも言いました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ