第十二幕その一
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第十二幕 論文を書いて
遂に大鳥池を発つ時が来ました、先生はその時に湖を見て言いました。
「ここでも素晴らしい学問が出来たね」
「そうだね」
「本当によかったわ」
「タキタロウのことを調べられて」
「湖とその周りのことを調べられて」
「実りが多かったね」
「うん、タキタロウのことはまだまだわかっていないけれど」
実際にいることはわかってもです。
「それでもね」
「イワナだと思っても」
「先生はそう考えていても」
「確かにはわかっていないね」
「詳しい生態系も」
「まだだよ、けれどね」
それでもというのです。
「実在は間違いないから」
「そうだね」
「そのことはわかったし」
「よかったね」
「詳しい生態系とかはこれからだね」
「これから調べることね」
「そうなるよ、では神戸に戻ろう」
皆に笑顔で言いました、そうしてでした。
湖を後にしました、そのうえで。
先生は仙台に着いてから皆にお話しました。
「ここに来るまでがね」
「大変だよね」
「仙台に来るまでも」
「大鳥池って山の中にあるから」
「行き来は難しいね」
「うん、あの湖に行くことは」
どうしてもというのです。
「大変だね」
「だからタキタロウは余計にわからないんだよね」
「山奥の湖にしかいないから」
「思えばかなり辺鄙な場所にいるね」
「行き来したら実感出来るよ」
「ネス湖の様にはいかないよ」
とてもというのです。
「ネス湖も山の中にあるけれど」
「それでもだよね」
「あちらは車道が通っているから」
「結構行き来するのが楽だよ」
「案外ね」
「それに世界的に有名だから」
ネス湖はというのです。
「そうなったけれどね」
「それでもだよね」
「タキタロウはネッシー程有名でなくて」
「しかも車道があんなに通っていなくて」
「それでだよね」
「見たって人も少ないね」
「しかもね」
さらにというのです。
「結構深い場所にいるから」
「尚更だね」
「タキタロウはわかっていないことが多いね」
「どうしても」
「そうなっているね」
「そうだよ、けれどこれからもね」
是非にというのです。
「調べていくべきだよ」
「タキタロウについて」
「具体的にどんな生きものか」
「調べ続けていくべきだね」
「そうだね」
「そうだよ、調べていくべきだよ」
先生は皆に確かな声でお話しました。
「ずっとね」
「先生の言う通りだね」
「じゃあそうしていこう」
「これからも」
「是非ね」
「そうしようね」
先生は皆に言いました、そうして仙台からです。
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