カメンライド 2
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一見ただの少女の姿をしているが、その移動方法に足は使わない。アスファルトを滑走していくディケイド吹雪の足元には、時折波のような水しぶきが散り上がる。
「行くぜ!」
ビーストが叫び、アスファルトから飛び出す。固体を貫通し、泳げるその能力に対し、ディケイド吹雪は低姿勢を取る。
歩行では決して出来ない、低体勢のままの移動により、ディケイド吹雪はビーストのラッシュを避け切った。
「遅い!」
ビーストの腹に当てられた、ディケイド吹雪の砲台。
「なっ!?」
「食らえ!」
それは、ゼロ距離の砲撃。乾いた空気に響く発射音は、ビーストを吹き飛ばし、地面という海の中に撃沈させた。
「コウスケ!」
ウィザードはディケイド吹雪の背後に飛び上がる。そのままウィザーソードガンを振り下ろす。
それは防御によって出された砲台を切り裂き、そのままディケイド吹雪を蹴り飛ばした。
両足で支えたディケイド吹雪へ、ウィザードは即座に追撃の指輪を発動する。
『チョーイイネ ブリザード サイコー』
「お前よりによって今それ使うなよ!」
地面の中から、ビーストが叫ぶ。
ウィザードはそれを無視しながら、右手を地面に叩きつける。広がっていく青い魔法陣とともに、氷の柱が突き上がっていく。
ディケイド吹雪はひたすらに動き回りながら、氷を避ける。
だがやがて、その右足を氷が捕らえた。
「何!?」
「よし!」
そのまま氷が、ディケイド吹雪を飲み込もうとしていく。
ディケイド吹雪は、完全に氷に閉ざされた。そう、思ったが。
『カメンライド シンラ』
ディケイド吹雪の足が、炎に包まれる。ジェット噴射のように炎が発射され、氷の発射台を砕き、新たなディケイドが空へ上がっていく。
黒い消防服を纏った、ギザギザの歯が特徴の少年。それは、人体発火現象により、焔ビトとなった怪物たちから人々を守るヒーローを志す少年、森羅日下部を模したディケイドシンラである。
ディケイドシンラは体を捻りながら、ウィザードへ蹴りを放つ。炎を宿した裸足の蹴りは、水のウィザードを地面にめり込ませる。
そのまま空中へ離脱しようとするディケイドシンラ。だが。
『カメレオン ゴー』
「逃がさねえぜ!」
ビーストの肩に装備された、カメレオンの甲冑。その口から発射された長い舌が、ディケイシンラの右足を掴んだ。
「うっし! 続けて……!」
ビーストは即座に、手にしたダイスサーベルのサイコロを回転させる。右手のカメレオンの指輪でダイスを止めると。
『5 カメレオン セイバーストライク』
「上出来だ! オラァ!」
ビーストがダイスサーベルを振ると、五体の
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