カメンライド 2
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「茅森さん……ではないことは分かっています! シールドレイ!」
そして、放たれる光。だが、リーチが短いのもあって、ディケイド月歌は体を反らしてえりかの反撃を避けた。
「一気に終わらせてやる……」
ディケイド月歌が取り出したカード。細いいくつもの線が交差し、どことなく「A」とも読めるクレストマークのカードを、ディケイド月歌はディケイドライバーに装填した。
『ファイナルアタックライド 月 月 月 月歌』
「! いけない!」
その言葉を聞いた途端、えりかは足を止める。
ウィザードとビーストの前に立ち、その防御を可能な限り広げた。まるで天使の翼が彼女の背中から現れたような幻覚を、ウィザードは目撃する。
「エンジェル・ウィン……」
「遅い!」
えりかが大規模な防御を張るよりも一手素早く、ディケイド月歌の斬撃が彼女の体に届く。
「がっ……!」
「えりかちゃん!」
えりかが大きく体を歪めた直後に、巨大な防壁は完成した。これ以降の攻撃は、彼女の防御を貫通しない限り届かない。
だが。
「もう……手遅れだ」
高速で全方向からの斬撃。ディケイド月歌の攻撃が行われるたびに、彼女の盾が移動し、その攻撃を防ぐ。だが、展開しきれていない以上、その余波のダメージがえりかを襲い続けている。
そして、ディケイド月歌は着地。えりかに背を向けると同時に。
「きゃああああっ!」
爆発。
夢幻泡影と呼ばれる技により、えりかはセラフを解除し、崩れ落ちた。
「えりかちゃん!」
「アイツ、やっぱりやべえぞ!」
ビーストはそう言いながら、新たな指輪を付け直す。
ウィザードも、えりかを助け起こしながら、また新たな指輪を付け直した。それと同時にディケイドもまた別のカードをディケイドライバーに装填した。
『ウォーター プリーズ』
『ドルフィン ゴー』
『カメンライド 吹雪』
青と紫。二つの水属性が魔法使いたちを変化させるのと同じく、ディケイド月歌の周囲から、どことなく戦艦の武装を思い起こさせるパーツが飛び出した。
それは、彼の腕に装着される。だが、装着したのは、青い学生服の月歌の姿ではない。セーラー服の少女。
艦娘と呼ばれる、深海棲艦に抵抗しうる力を持つ者の一人、特型駆逐艦一番艦吹雪。そのコピー、ディケイド吹雪は、右手の射出口をウィザードたちへ向ける。
『リキッド プリーズ』
「来るなら来やがれ!」
「そうさせてもらおう」
ディケイド吹雪の返答と同時に、彼の射出口が火を噴く。
だが、それよりも先にウィザードとビーストの体は液状化。地面を水のように潜伏し、潜っていく。
追いかけるディケイド吹雪。
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