カメンライド 2
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「……フン」
ディケイドさいたまは鼻を鳴らし、新しいカードを引っ張り出した。
『カメンライド デンジ』
そのカードを装填すると、ディケイドさいたまの胸に小さな赤い紐が現れる。
それを引っ張ると、ディケイドさいたまの頭部に変化が訪れる。その頭皮を突き破り、チェーンソーの刃が顔を見せた。
「……また凄まじいものに……」
「なんじゃありゃ……バケモンじゃねえか」
「チェーンソーの悪魔……らしいぜ?」
世に蔓延る悪魔を討伐するデビルハンター。その一人、デンジが宿すチェーンソーの悪魔との契約の証をコピーしたそのディケイドデンジは、腕から生えてくるチェーンソーを振るう。
「今度はこっちだ!」
『ランド プリーズ』
風から土へ。
このウィザードの防御力は、先ほどの風の比ではない。
『ディフェンド』
風と土の違い。
それは、土でできた防御の壁の強固さだった。
だが。
「お前が壁を作り、俺が破壊する……」
それは、ディケイドデンジのチェーンソー一振りに、アッサリと崩された。
「な……っ!?」
ウィザードの防御力を越えた破壊力。慌ててウィザードは、再度防御の魔法を発動した。
連続して発動する、土の壁。だが、生成されるそばから、土の壁は切り崩されていく。
「無限ループが完成したなあ!?」
「させません!」
だが、それは突如の乱入者に阻まれる。
えりかが、ディケイドデンジのチェーンソー、その刃先に盾を割り込ませ、その軌道を地面へ反らしたのだ。
地面に刺さったチェーンソー。それを見下ろしたままのディケイドデンジは舌を巻いてえりかを見る。
「蒼井えりか……なら、これだな」
「……!」
えりかの表情が、明らかに変わった。
ディケイドデンジが見せたカード。それは、迷いなく腰のディケイドライバーに差し込まれ。
「俺の伝説は、ここから始まる……ってな」
『カメンライド 月歌』
出現する、ワームホール。
それは、えりかが出現させたものと全く同じもの。だが、その中心に現れるのは、えりかの盾型セラフとは全く別の物。
二本一組、黄銅色の剣が、静かにディケイドデンジの手に舞い降りる。
いや、手にしたのはまた新たなディケイドの姿だった。青い制服を着こなす、長い前髪に左目を隠した少女。
そしてそれは、えりかにとって最も強い想いを抱く相手。
「茅森さん……」
ディケイド月歌は、茫然としていたえりかへ、その二本の剣で斬りかかる。えりかは慌ててその腰の機械をその前面に押し出す。六角形を描くその機械の合間に、非物質の盾が発生し、ディケイド月歌の剣は狙いを逸れた。
「ほう……」
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