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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉〜戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる?〜
第二百四十一話 山下テツヤ その5
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『部長命令』などという言葉を初めて聞いた。
そもそも、この超能力研究部は非公式の部活なのだ。
それはともかく。
あの、桜原カエデとかいう女のせいで、先輩は変わってしまった。
でも、桜原カエデが先輩に力を与えたせいで、俺は先輩とヤれた。
それでも、これ以上、先輩がカエデの脅威におびえている姿は見たくない。
心の中のもう一人の自分が俺に警鐘を鳴らす。
先輩がヤらしてくれたのは、あくまで、キョウジの死体を片づけたことに対するお礼であって、俺に対する純粋な好意ではないのだから、勘違いするな、と。
そして冷静に考えれば、俺は先輩の殺人行為に加担したのだから、ただの犯罪者だ。
先輩が殺したキョウジの遺体を部室の床下に埋めた、ただの犯罪者だ。
もう逃げ場なんてどこにもない。
このまま先輩と同じ秘密を共有して一生後ろめたさを感じまま堕落していくのも悪くない。
先輩と同じ秘密を共有して共依存の関係になるのは、むしろ望むところだ。
それでも俺は、この先の長い人生、先輩にずっと笑顔で生きてほしかった。
先輩がもう二度と自分を傷つけずに済むような、世界で生きてほしかった。
でも、その世界にはおそらく、俺はいない。
人を殺し、その証拠隠滅をした。
この事実が忘れられ、過去の思い出になってしまえば、先輩はもう二度と俺には振り向いてくれないだろう。
それでも、俺は先輩に幸せになってほしかったから、部室を出た。
何かを察した先輩が俺の制服の袖をつかむ。
先輩の目は俺に行くなと言っている。
俺ごときに依存している先輩なんて、やっぱり俺の知っている先輩じゃない。
俺は先輩を安心させるために口を開く。
「コンビニで食いものを買ってくるだけですから」
もちろん嘘だ。
俺はそれだけ言って、校舎に戻り、科学部のドアを開いた。
科学部の部室には俺と先輩と同じく授業をサボってなにか作業をしている野村がいた。
野村は科学部の部長でテストの成績は毎回トップ5に入っている。
わかりやすく言えば、勉強がめちゃくちゃできる不良である。
「野村、爆弾作れるか?」
漫画やアニメならともかく、先進国ではまず、発せられることのない俺の言葉に、野村の表情が固まる。
野村は全校生徒の女子達から見たら目がつぶれると評判のスマイルを俺に見せ、口を開く。
「僕に作れないと思っているのか?」
野村の言葉に俺は思わず、心の中でガッツポーズをとってしまう。
「でも、なんで、爆弾を?理由がつまらん場合は絶対に作らんぞ」
俺は野村に全部話した。
桜原カエデのせいで、先輩が人を二人も殺してしまったこと。
狂撃波動のこと。
俺が先輩が殺したリンクマスターの死体を部室の床下に隠したこと。
先輩とヤったこと。
先輩の明るい未来のために、俺がカエデを殺そうとしていること。

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