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おっちょこちょいのかよちゃん
267 偽物に惑わされるな
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一緒よ!」
「黒魔術・・・」
 大五郎は思い出した。
「そうか、ラ・ヴォワザンだな!」
「そうよ、あの偽物がやられても本物の杉山さとし君は平気よ!」
「あの女ならこいつをやっても杉山本人には関係ねえな!」
 大野は草の石、そして元々親友の得物である雷の石を出して攻撃した。放電され、木の枝が無数の矢となって杉山を攻撃した。偽杉山は何とか避けた。だが周囲に石が置かれ、閉じ込められた。
「・・・、もう終わりにさせて貰うよ・・・!!」
 かよ子が杖から石を出現させて偽杉山の動きを封じたのだった。
「よし、終わりだブー!」
「俺も行かせて貰おう!」
 ブー太郎と椎名が水攻めにする。
「ふ、何のこれしきここから・・・」
 偽杉山はここから撤退しようと試みた。しかし、身体が動かない。
「な、なんだ・・・!?」
「あんな胸糞悪い魔術、俺の法力で消してやる!」
 そして水圧で偽杉山は苦しみ、息絶えた。そしてかよ子の杖で出して作られた石垣に水が溢れ出して破壊された。
「・・・、終わったか」
 皆は偽物を始末してホッとした。しかし、かよ子はなぜか落ち着けない。
「す、杉山君!!」
「あ、かよちゃん!」
「山田かよ子!」
 かよ子はあの杉山は偽物だと解ってはいた。それでも杉山がやられる所を見るとどうしても心配で近寄ってしまう。大野の転校が決まった時も体育館裏で大野と喧嘩する杉山が放っておけず止めようとした。
「杉山、君・・・!!」
 かよ子は水で散らばった石に躓いたり、踏んで滑ってしまいながらも偽杉山がいた所を探した。そして一つの木の人形を見た。水で濡れていた。
「これが杉山君の元となった人形・・・」
[杖の所有者よ]
「この声は・・・!!」
 かよ子は幾度も聞いている声である。
「レーニンだね?!」
[その通りだ。貴様は我々の所に寝返った杉山さとしがそれでも心配で仕方あるまいって事か]
「確かに杉山君は裏切ったけど・・・。本当は私も心配だよ!大野君と仲直りできないままこのまま終わっちゃうなんて・・・」
「で、でものり子の人形でそれはないって解ったんじゃないかブー?」
「あ・・・」
 かよ子はのり子の人形が言っていた偽の杉山が倒されると杉山本人も死ぬという事は嘘だという事をすっかり忘れていた。
(またおっちょこちょいしちゃったよ・・・)
[しかし、このようにいとも容易く欺かれる貴様らではないな。だが、ラ・ヴォワザンにももう少し惑わせるように制度を上げて貰いたかったものよ。まあ、本物の杉山さとしは全く平気だ。これは嘘ではない。次私が貴様らと当たる時はこの小僧も相当な強者となっているかもしれんな]
 レーニンの声はそれ以降聞こえなくなった。
「ラ・ヴォワザン・・・!!」
 かよ子はその名を聞いて思い出した。以
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