第八十三部第三章 今だ目覚めずその二十七
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「それでもな」
「サハラには無関心ですよね」
「殆どな、マウリアは同盟国でもな」
「やっぱり無関心ですね」
「そうした国だからな」
それでというのだ。
「まあ俺達にはな」
「何もしてこないですね」
「あそこはな、だから旅行には行きたいけれどな」
それでもとだ、先輩はまた自分の興味の話をした。
「それ以外はな」
「どうでもいいですか」
「ここはら見ておくさ」
サハラの西の端からというのだ。
「ずっとな」
「そうしていきますか」
「俺はな」
アスランではこうした話をしていた、首都でなくなろうともそこで人は生きて働いていた。それが現実だった。
だが彼等の国の国家元首であるアッディーンはこのことを知らない、アスランのことも頭の中にはある。
だが彼が今考えていることはというと。
「さて、いよいよだ」
「はい、これからですね」
「戦争だ」
シンダントに話した。
「再びな」
「ティムールの防衛ラインを攻めますね」
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「勝つ、まだだ」
「シャイターン主席はいない」
まだ復帰していないというのだ。
「戦場にな」
「左様ですね」
「千載一遇の好機と言うべきか」
「若しですね」
「シャイターン主席がいればな」
「あの艦艇は使えても」
「あの様に思う様にはな」
アッディーンが考える様にというのだ。
「出来るものではない」
「左様でしたね」
「あの御仁がいるとな」
「確実に見破られていましたね」
「こちらの動きをな、だからな」
それでというのだ。
「よかった」
「そう言われますね」
「心からな」
「そうですね、ですが閣下は」
「いや、それは兵の命を預かっていない場合だ」
「その場合はですか」
「思う存分戦っていた」
人の命を預かっている、その場合はそうしないというのだ。
「人の命を預かるとな」
「どうしてもですね」
「責任が生じる、それならだ」
「シャイターン主席とはですか」
「今はだ」
「不在であることをですか」
「戦争は政治だ」
アッディーンはこのことを今話した。
「だからだ」
「それ故にですね」
「政治は好機を逃さないものだ」
そうして目的を果たすものだというのだ。
「どういったものでもな」
「だからですね」
「ここはだ」
自分の感情、シャイターンと全力で戦ったうえで勝利を収めてサハラを統一したいというその願いをというのだ。
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