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星河の覇皇
第八十三部第三章 今だ目覚めずその二十六

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「手に入れるつもりだからな」
「ひょっとしたらですね」
「あそこは新天地を手に入れられるかもな」
「その可能性がありますね」
「ああ、それでな」
「残る二つですね」
「サハラの平和な」
 これはとだ、先輩は笑って話した。
「いよいよな」
「手に入りますね」
「嘘みたいだけれどな」
 千年の間戦乱が続き戦闘が行われていない日なぞなかった、そうした状況にあったからだというのだ。
「それは」
「けれどですね」
「いよいよになったな」
「そうですよね」
「本当に状況が許す限りな」
「旅行を楽しみますね」
「これから死ぬまでな」
 趣味のそれをというのだ。
「そうしていくな」
「いいことですね、じゃあ俺も」
「お前はずっとプラモ作ってるよな」
「それが趣味で」
 それでとだ、新入りは先輩に笑って話した。
「作ってます」
「それもいい趣味だな」
「子供の頃から作ってますが」
 それでもとだ、新入りはさらに話した。
「今もです」
「作っていくな」
「これからも、まあこっちは平和でなくても出来ますね」
「プラモ作りはな」
「そうですね、たださっきのお話で連合出ましたけれど」
「ああ、また出ていたな」
「エウロパは新天地、サハラは平和を手に入れて」 
 そしてというのだ。
「連合はまとまりは」
「それはないな」
「ですよね、あそこは」
「連合は平和も新天地もあるよな」
「二つ共ありますね」
「しかしな」
 他の国が手に入れたいと心から願っているこの二つをというのだ。連合は実際に平和であるし無限の開拓地と開発地つまり新天地を多く持っている。
 だがそれでもとだ、先輩は言うのだった。
「あの国はな」
「どうしてもですね」
「まとまりはな」
 これはというのだ。
「願ってもな」
「手に入れられないですね」
「あの国にまとまりとかな」
 それこそというのだ。
「一番縁がないだろ」
「ですよね、やっぱり」
「あれだけ中で揉める国だぞ」
 連合という国はというのだ。
「それだとな」
「まとまらないですね」
「無理に決まってるだろ」
 それこそという口調での言葉だった。
「あの国でまとまることはな」
「それだけはないですか」
「あそこはあの国だけでな」
「ずっと揉めてですね」
「やってくだろ、まあ他の国に興味ないしな」
「あそこで一つの世界ですからね」
「エウロパとは仲悪くてもな」 
 このことは事実でもというのだ。
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