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星河の覇皇
第八十三部第三章 今だ目覚めずその二十五

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「サハラに伝えたいな」
「そうなんですね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「俺としてはな」
「連合にもですか」
「行きたいな、まあこっちは夢だな」
 サハラの旅行と違ってというのだ。
「本当に」
「お金と時間の問題ですね」
「宝くじにでも当たれば」
 その時はというのだ。
「行けるけれどな」
「お金はそれで」
「仕事は休んでな」
「無給で、ですね」
「一年とか三年の有給はないだろ」
 先輩は笑って話した。
「流石に」
「そこまではないですね」
「だからな」
「休職してですか」
「そのうえでな」
「旅行に行きますか」
「あくまで宝くじに当たったらな」
 それでいきなり巨万の富が手に入ればというのだ。
「その時だけれどな」
「その縛りはありますね」
「けれどな」 
 それでもとだ、先輩はさらに言った。
「俺としてはな」
「連合にもですか」
「行きたいな、まあ旅行自体がな」
「平和になれば」
「存分に楽しめるな」
「ですね、旅行って趣味は平和じゃないと」
 そして治安がよければだ、後輩も述べた。
「とても、ですからね」
「楽しめないよな」
「そんなものですよね」
「戦場に普通の奴が行けるか」
 軍人以外の者がというのだ。
「巻き込まれて死ぬだろ」
「まずそうなりますね」
「だからな」
「旅行をするにはですね」
「平和でないとな」 
 そもそもというのだ。
「駄目なんだよ」
「そうですよね」
「平和が一番だよ」
「それサハラではずっとでしたね」
「夢だったよな」
「はい、千年の間です」
 それこそとだ、新入りも話した。
「絶対に何処かで戦争がありましたな」
「そんなのだったからな」
「もう平和は」
「夢の夢でな」
「望んでも手に入れられない」
「サハラの平和とな」
 それにとだ、先輩はさらに話した。
「連合のまとまり、エウロパの新天地」
「それぞれの国で、ですね」
「得られないものがあると言われていたな」
「そうでしたね」
「このうちエウロパはな」
 この国はというと。
「サハラから手に入れようとしてな」
「それが得られなかったですが」
「今度は暗黒宙域を乗り越えてな」
 そうしてというのだ。
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