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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
紅の集い
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き刃という言葉がこの世にはありまして」

「付け焼き刃じゃないもん!五百年ものだもん!」

「威厳ある方はもん、なんて言いません」

「うーーーーー!」

なんてコントをしているとエミヤシロウが知ったならば、あの場のシリアスな雰囲気と真面目に応対した時間を返せと言いたくなる光景が広がっていた。

「五月蠅いわよ、レミィ」

気怠げな口調と共に現れたのは、紅魔館のヴアル魔法図書館に住む魔女、パチュリー・ノーレッジだった。

「パチュリー!咲夜が、さくやがー!」

「あーはいはい。咲夜もほどほどにしないと、また幼児退行起こすわよ」

「なんだ、いつも通りではないですか」

「少なくとも、昔はもっとカリスマあったと思うけど………。まぁいいわ、そんなことよりさっき誰か来ていたようだけれど、何かあったの?」

「そんなこと!?―――じゃなくて、さっき来ていたのは最近話題の妖精を鍛えたという男、エミヤシロウよ」

レミリアの言葉を聞いた瞬間、珍しく真面目な雰囲気をパチュリーが出す。

「………その男、どんな感じの奴だった?」

「そうね、面白い奴だったわ。曲がりなりにも吸血鬼の根城にいながら、眉一つ動かさず私と対峙するだけでなく、その物怖じのしなさも中々のものだったわ。それに―――」

「それに?」

「私の予測が外れていなければだけど、アイツは化け物と呼ばれる妖怪なんかよりも、よっぽど化け物している人間かもしれないのよね」

くつくつとどこか愉しそうに笑うレミリアを訝しむパチュリー。

「良く分からないけれど………ソイツただの人間だったの?」

「十中八九違うでしょうね。今回は会話だけで済んだからわからず仕舞いだけど、あの胆力と雰囲気は一般人が出せるものじゃないわ。あんな奴が幻想郷出身なら、話題に挙がるのが遅すぎる。外来人と見て間違いわね」

「………そう。ようやく見つけた、と踏んでいいのかしらね」

今度はパチュリーが愉しそうな笑みを浮かべる。
そんな光景を眺めて咲夜が一言。

「普段からこうなら、流している風評も嘘偽りにしなくて済むんですけれどね………。まぁ、期待するだけ無駄か」

咲夜の溜息が、何故かとてもよく室内に響いた。

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