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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
紅の集い
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為にやっていることでもなければ、認めてもらいたくてやっていることでもないからな。評価して欲しいならボランティアでもしていればいい。私がやりたいことは、そんな誰にでもできる当たり前のことじゃない。そんな新境地に手を付けるんだ、高尚か低俗かなんて判断しようがないだろう?」
過去に衛宮切嗣が進んだ道とはいえ、その事実を知るものは最早存在しないだろう。
当然、私も含めてだ。
衛宮切嗣がどんな生き方をしていたかは語られても、その内に秘めた理想までは誰も知ろうとはしなかった。
手段を選ばない冷酷無比の魔術師殺し―――誰もが持つ共通認識であり、嘘の認識でもある。
誰よりも優しい願いを持ってしまったが故に、誰よりも現実に直面した、子供な大人。
故に理解されず。故に孤独。
いや、もしかしたらそうではなかったのかもしれない。
だが、理解者も第四次聖杯戦争で失い、結果あのような無気力な余生を過ごす羽目になったのだろう。
何にせよ、自惚れでなければ、今正義の味方を目指しているのは私以外この世に存在しない。
ならば、次に評価される正義の味方の在り方は、私の行動次第ということになる。
そんな始まったばかりの出来事を、どう評価しろというのか。
外の世界で衛宮士郎が正義の味方を目指すなら、私は幻想郷でそれを為す。
とはいえ、奴の進む道は衛宮切嗣の祈りの果て。
凜に奴のことを頼んだとはいえ、恐らくは私と似た結末を辿るだろう。
それが奴の望む生き方ならば、私はもう何も言うつもりはない。
だが、私は追体験を辿るような愚は犯さない。
絶対に幸福な未来を掴み取ってやろうではないか。それも奴が平身低頭するぐらいのな。
それが凜との約束でもあり、決して蔑ろにしてはいけない、何よりも優先すべきことだ。
「もういいかね?ならばこれで失礼させてもらう」
「ええ、そうして頂戴」
その言葉を最後に、踵を返し部屋を後にする。
部屋を出る直前の背後から感じた悪寒は気のせいだと自己暗示した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
エミヤシロウが去った館の一室で、不適な笑みを崩すことなく座する紅魔館の主。
その姿は、見ようによっては子供が新しい玩具を手に入れた時みたい―――には見える訳がない。
「くく―――思った以上に面白そうな奴だよ、エミヤシロウは」
「もう誰も見ていませんので、そろそろその似合わないポーズはお止めになられても良いかと」
「って、咲夜!折角珍しくカリスマ溢れる姿勢を維持していたのに邪魔しないでよ!」
「どうせまともに維持できないのに、よく頑張りますね」
「維持できなくて悪かったわね!これでも紅魔館の主として莫迦にされないように努力してるんだから、メイド長としては褒め称えるところでしょう!?」
「付け焼
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