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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
紅の集い
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程度の事で怯みはしない。
「偽善?そもそも何を持って善と偽善を区別する。何故他人にそれを評価されなければならない。他人本位な評価でしか区分けできないのであれば、それは最早善という言葉に価値がないのと同義。だってそうだろう?結局誰もが何かしらの信念があって行動を起こしている。それが善意から来るものであれば、それは本来どんな形であれ善行だ。そしてそれを評価するのが受け取った側の人間で、彼らが偽善と思えばその瞬間善意が否定される。それはどう考えてもおかしい。それでは受け取る側の人間にとって満足のいく結果でなければ、なんでも偽善になってしまう。そんな莫迦な話があってたまるか」
「なら、金持ちが必要以上に民から税を搾取しておきながら、パンを分け与えるように仕向けるのは偽善ではないと?」
「そもそも前提がおかしい。税の搾取という不当を働いておきながら、金持ちの行動が善として認識される訳がないだろう。区別以前の問題だ」
「そうかしら。貴方の言い分を借りるなら、どんな境遇であれど善行を働いた者の意思は尊重されるべきだと言っているように聞こえるけれど」
「なら君は、世界征服を目論んだ魔王が、いきなり人間の為に全霊を尽くすという物語を読んだとして、素直に受け入れられるか?裏がないと思わないか?」
「―――それは、」
「区別という行為は、それが横ばいで同じ土俵で立っているからこそ成立するのであって、上下の動きはどちらかと言えば差別だろう。評価が一定値以下の存在の言葉など、そう簡単に戻りはしない。相応の努力の果てに、ようやく認められてからがスタートになるんだ。その時点でその気になるのは愚の骨頂」
「………結局、貴方は何が言いたいの?」
「私は私の想いに従って行動するだけだ。例え第三者に無駄と蔑まれようとも、もうこの足を止めるつもりはない」
一度無駄に足を止め続けたからこそ、進み続けた日々の価値が実感できる。
それは苦難の道だったかもしれない。
誰にも認められない行為だったかもしれない。
―――だが、それでも。
この祈りを誰かに否定される謂われはない。
誰かを救いたいという願いは、決して貶められていいものではない。
―――それに、今の私は決して借り物の祈りには縋らない。
衛宮切嗣の影は、もう振り切った。
なればこそ、残ったのは己の意思のみ。
後は、それを行動で示すだけだ。
………とはいえ、未だどうすればいいのかは固まっていない以上、あまり偉そうなことは言えた立場ではないのだが。
「なら、最後の質問いいかしら」
「構わんよ」
「貴方のその願いとやらは―――粉骨砕身をするに足るほど高尚なものなの?」
「………さてな、そんなのは知らん」
「何ですって?」
「誰かのご機嫌伺いの
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