266 戻って来たのは
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平和を正義とする世界へと進む房子達日本赤軍と東アジア反日武装戦線の連合軍は仲間である西川純と佐々木則夫の奪還を目的としていた。
「房子総長」
東アジア反日武装戦線を取り締まる大道寺将司が赤軍の長を尋ねた。
「何かしら?」
「敵共はこの取引について裏をかこうとする可能性はある、いや絶対そうするのではないですか?」
「私もそう思ってるわ。でもその前に二人を返してくれるのかしらってところよ。あとはこの取引が終わったら私達を纏めて拘束して警察に引き渡すかもしれないわね」
「かなり危険な賭けですね」
「こっちも欺くのよ。そうでないとレーニン様達の世界の人だって満足しないわ」
昼に近づいて来た。本部の管制室ではイマヌエルと先代の杖、護符、杯の所有者達がいた。
「今フローレンスが赤軍や東アジア反日武装戦線との取引に向かっているのだが、奴等が要求に応じるわけがない。しかし、それを見越してこっちも策を講じているんだ」
「それってどんな策なの?」
「こちら側で守備に付いている本部守備班だけでなく、此方側にいる私達の世界の人々も協力して貰いに来ているのだよ」
「それで追い払えるのかしら・・・?」
「だが、赤軍達の方も大量の人間を出向かわせている。激しい戦いになる事は免れんだろう」
(それにしてもトロツキーは羽柴さり君の護符を取ろうとして失敗した後、別の場所へ瞬間移動したようだが、一体何をしているのか・・・?)
イマヌエルは地図を確認した。トロツキーは赤軍の集団へと向かっていた。
(赤軍の人間とこれからの行動を打ち合わせる予定か・・・?)
時間は昼に近くなっている。かよ子達は今の所赤軍や戦争主義の世界の人間とはぶつかってはいないが、気を抜けなかった。
「・・・ん?」
大野は何かの違和感を感じている。
「大野君、どうかしたのかブー?」
「ああ、向こうから誰かが来る気配がするんだ」
「まさか、赤軍?それともこの世界の人?」
かよ子は既に武装体制の支度済みであった。
「いや、それとはまた違うんだ」
「え?もしかして・・・、私達に協力してくれる人、なの・・・?」
「味方が増えてくれるなら嬉しいのう・・・」
友蔵はホッとした。
「お〜い、お前ら〜!!」
この声は聞き慣れていた。かよ子も、まる子も、大野も、ブー太郎も。
「この声って・・・!!」
かよ子は声の方向を向いた。姿が近くなると、驚いた。
「え、す、杉山、君・・・!?」
戦争主義の世界に寝返った筈の杉山だった。
護符の所有者との戦いで劣勢に追い込まれたトロツキーは別の場所へ緊急脱出した。
「まさか、護符の所有者如きに打ちのめされるとは・・・!!」
「兎に角、別の作戦に動こう」
同行していた岡本と日高は房子達への合流を試みた。
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