アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十四話 舞い降りた漆黒と決着
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思ったのは
―――――(オシリスに語った推測を)説明中―――――
という訳だ」
「・・・驚くべき洞察力だな。それより、どうするのかね?」
ソレイユの推測を聞いた茅場晶彦は再び驚愕するが、すぐにいつもの表情に戻り話を進めていく。言葉足らずに聞こえるが、当のソレイユには通じたようだ。
「男のタイマンに横槍を入れるつもりはねぇよ。ということで・・・ファイトだ、キリト君」
他人事のように言うソレイユにアスナやほかの攻略組のプレイヤーは驚き眼を瞠るが、そんなことはお構いなしに長刀を鞘に納めると、ヒースクリフに背を向け距離を取っていく。その途中にアスナの首根っこをつかみ引きずっていく。当然のごとく暴れるアスナだがそれにすらお構いなし。ちなみに、ルナは何とかソレイユに支えられながらなんとか歩いている。
「おっと、そうだ」
ふと何かを思い出し、引きずっていたアスナの首根っこから手を離し、ルナを優しく引き離した。(アスナの扱いが不憫だが、そこを気にするソレイユではない)
「ちょっと、キリト君と話してもいいか?」
「かまわないよ」
ヒースクリフの了承を得てソレイユはキリトものもとに歩いていく。状況を飲み込めていないキリトは近くまで来たソレイユの名を呆然と呟くしかできなかった。
「そ、ソレイユ・・・」
「キリト君・・・歯を食いしばれっ」
そんなキリトの胸ぐらをつかむと、キリトの頬にソレイユの拳が吸い込まれていった。幸いHPの全損は免れたものの、殴られた本人は目を白黒させているが、それはキリトだけでなく、このフロアにいる全員がソレイユの行動に目を丸くしている。
「結局お前は何もわかってねぇし、なにも進歩してねぇ」
「な、なにが・・・」
「はぁ・・・言わねぇとわかんねぇのかよ・・・いいか、この世界のことをお前一人だけで背負う必要なんてないんだよ」
ソレイユの言葉にキリトは目を瞠るがそんなのお構いなしに言葉を続ける。
「自分が何もかも背負えるとか、自分が何もかも終わらすとか考えてるんだろ・・・ふんっ、のぼせ上がるなよ、小僧。お前に守られなければいけないほど、俺たちは弱くはねぇよ・・・お前一人で背負えるほど世界は軽くねぇよ・・・」
「・・・だ、だけど、おれはビーターだ!デスゲームが始まった時、自分が生き残るためにほかの全員を見捨てたんだ!!それだけじゃない!!月夜の黒猫団のときだって、おれはっ!!」
「月夜の黒猫団のことはおれは関与しない。だがな、今のお前は一人じゃないだろ!」
「っ!?」
ハッとソレイユを見るキリト。キリトの表情を見て、ソレイユはふぅ、と満足そうに溜息を吐くとキリトの背中を押すために二言だけ言った。
「終わらして来い。次は現実で、だ」
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