アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十四話 舞い降りた漆黒と決着
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「・・・・・・」
「オネーサンの初めてを奪っといてルーちゃんにゾッコンとハ・・・ソー君も罪作りだナ!」
「・・・ものすごい誤解のある言い方だな、おい・・・。寝ぼけてキスしただけだろ・・・」
「オネーサンとの熱い夜を忘れたのカ?」
「蒸し暑い夏の夜に、おれの抱き癖が発動しただけだろ・・・」
「オネーサンのことは遊びだったのカ!」
「ああ、遊びでした」
「・・・オネーサンの渾身のボケをあっさりとかわすとハ、さすがソー君だナ!」
「渾身のボケ、ね・・・ホントか、それ?」
「・・・・・・」
そこで会話が途切れたところで走っていこうとする先にMobを発見し、回避する間もなくエンカウントしてしまう。
「ったく、めんどい・・・」
そう呟くと、隣を走っていたアルゴの首根っこをつかみ自分の背中へと放り投げる。いきなりのことに驚いたアルゴだが、何とかソレイユのコートをつかみ背中に引っ付く。
「しっかりつかまってろよ!」
その言葉と共にソレイユの姿は消えた。残されたのはMobがポリゴン片となった時に鳴る破裂音だけだった。
◆
「ばかな・・・」
そう言葉を漏らしたのはソードスキルを止められたヒースクリフこと茅場晶彦だった。意外すぎる人物の登場に驚いたのか、彼が生きているとは思っていなかったのか、どっちにしろ驚愕しているのが手に取るように分かった。
「(へぇ〜、驚くとこんな顔するんだ・・・)」
などと場違いかつ不謹慎なことを心の中で呟くソレイユ。不意にソレイユの名前を呼ぶものがいた。
「ソレ、イユ・・・?」
意識せずに名前を呼んだのはルナであった。まるでソレイユという存在を確かめるように呼ばれた本人は鍔迫り合っているにもかかわらず、穏やかな声色でルナの呼びかけに答えた。
「ああ、おれだ」
ソレイユの存在が確かめられたせいか、その穏やかな声色につられてか、ルナの瞳から涙が零れ落ちる。必死に我慢しようとしているが、なかなか意味をなさない。しまいには、ソレイユの胸にすがりつき嗚咽を漏らしながら泣いている。それに一瞬だけ見やると、長剣を受け止めていた長刀に力を込め強く弾いた。予想以上の力がこもっていたせいかヒースクリフは数歩後ずさる。そして、改めてソレイユに向きなおった。
「まさか、君が現れるとは予想外だったよ」
「だろうな。それより、久しぶりと言うべきなのかな、ヒースクリフ団長?それとも、初めましてというべきなのかな、茅場晶彦?」
「オシリス・・・高嶺恭介から聞いたのかい?」
ヒースクリフの正体を知っているソレイユに推測を立てる茅場晶彦だがソレイユの返事はイエスではなかった。
「半分正解で半分はずれ。おれがあんたを怪しいと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ