アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十三話 さようなら
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うおおおおお!!」
咆哮を上げさらに攻撃を加速させていくが、まったく当たる様子が見られない。
「くそぉっ・・・!」
悪態をつき、二振りの剣にライトエフェクトを纏わせるキリト。それを見たヒースクリフは勝利を確信したように笑った。キリトが自分の過ちに気付くが、それはあまりにも遅かった。発動したソードスキルは最上位二刀流剣技≪ジ・イクリプス≫。太陽コロナのように全方向から二十七の連続の剣閃攻撃が放たれるが、その悉くを十字盾で防ぐヒースクリフ。最後の一撃となる攻撃を十字盾で防がれ、ダークリパルサーの切っ先が砕けてしまう。≪ジ・イクリプス≫を油断なく防いだヒースクリフは長剣を掲げ、別れの言葉を口にする。
「さらばだ―――キリト君」
掲げた長剣に血のように赤いライトエフェクトが灯る。血色の帯を引きながら長剣が振り下ろされる。スキルディレイが課され動けないキリトはそれを避ける術を持たない。その時、茅場晶彦でも予想だにしなかったことが起こった。突如、真紅に輝く長剣と動けないキリトとの間に人影が飛び込んできた。その人影を見た時、キリトは目を瞠った。白と赤の防具に栗色の長い髪、見間違いなどではなくその姿は自分のよく知る人物だった。キリトを庇うように飛び込んできた人影は、システム麻痺によって動けないはずのアスナだった。このままいってしまえば、真紅に輝く魔刃はアスナの体を切り裂いてしまうのだが、キリトにはどうすることもできなかった。
「だめだよ・・・あなたが犠牲になっちゃ・・・」
その言葉とともに新たにあらわれた人影がアスナを突き飛ばした。アスナは踏ん張ることができず、突き飛ばされ地面に倒れ込んでしまう。地面に倒れ伏しながらも先ほどまでいた場所を見ると、そこにいたのは親友とも呼べるプレイヤーだった。
「アスナは生きて・・・まだ、大切な人がいるんだから・・・」
「る、ルナっ!?」
「ごめんね・・・ソレイユのいない世界じゃ、私は生きていけないよ・・・」
だから、と一拍置き、血のように赤いライトエフェクトを纏った魔刃が振り下される中、ルナは涙混じりの笑顔でここにいない生きてるかもわからない最愛の人に別れを告げた。
「さようなら・・・ソレイユ・・・」
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