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星河の覇皇
第八十三部第三章 今だ目覚めずその二十一

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「人殺して食う奴とか」
「もう人間じゃないだろ」
「そうとしか考えられないですね」
「グールだな」
 先輩はイスラムに伝わる魔物の名前も出した、ゲームや小説や漫画でよく出て来るモンスターでもある。
「もうそれこそ」
「グールも人食いますよね」
「だからな」
「もうそんな奴はそれこそ」
「グールと同じだからな」
 そうとしか考えられないからだというのだ。
「死刑にするしかないだろ」
「人殺したら死刑ですし」
 サハラでは大抵そうなる、とはいても死刑の方法はあくまでコーランに則ったものであり連合のそれとは全く違う。
「それなら」
「もうな」
「確実にですね」
「死刑にしとかないとな」
「さもないと大変なことになりますからね」
「ドイツにいた奴は何十人も食ったんだぞ」 
 先輩は名前は忘れていたがフリッツ=ハールマンの話をまたした、先輩が話しているのはこの殺人鬼のことなのだ。
「そういう奴本当にやばいだろ」
「ですね、もう人間じゃないですね」
「グールだからな」
 最早そうした存在だからだというのだ。
「もうな」
「死刑にして」
「あと屍も燃やしてな」
 イスラムは土葬である、このことはこの時代でも同じだ。
「それで完全に消し去らないとな」
「冗談抜きでグールになって蘇りますね」
「そうしてくるからな」
 だからだというのだ。
「復活しない様に死体は燃やす」
「骨も砕きますか」
「そうして完全に消さないと」
 それこそというのだ。
「蘇ってくるぞ」
「そこまでやばい奴ですよね」
「お前もそう思うよな」
「殺人鬼ですら思うのに」
 それでもというのだった、新入りも。
「人食うとか」
「もうアウトだな」
「こうした話イスラム以外ではあるんですね」
「逆にイスラムでは殆どないな」
「そうですよね」
「餓えてもな」
 その極限状態にあってもというのだ。
「犬は食ってもな」
「唾液が不浄ですけれどね」
「それで最悪豚は食ったかも知れないな」
「猪とかも」
「コーランで食ってはいけないって言われてもな」
「アッラーは寛容ですからね」
「どうしようもない時はな」 
 もうそうした時はというのだ。
「それこそな」
「犬や豚を食ってもですよね」
「アッラーは許されるんだよ」
「連合じゃどっちも普通に食ってますね」
「特に豚な」
 豚肉は連合では非常にポピュラーな肉となっている、牛肉よりも食われている程である。実に様々な料理の食材になっている。
「連合じゃムスリムでも食うぞ」
「アッラーに謝罪してから」
「それで食ってもな」
「アッラーは許されますね」
「だから餓えてたらな」
 その状態ならというのだ。
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