アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三十二話 骸骨の刈リ手と魔王の正体
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「偵察隊が、全滅っ!!」
ソレイユが出かけた翌日、二週間ぶりにクランザムにある血盟騎士団本部を訪れたルナ、アスナ、キリトの三人は思いもよらぬ言葉を耳にした。
「七十五層のマッピング自体は、時間はかかったが犠牲者を出さずに何とかなったのだが、ボス戦はかなりの苦戦が予想された・・・そこで、我々ギルドは合同パーティー二十人を偵察隊として送り込んだのだが・・・」
いつも通り表情に変化は見られないヒースクリフだが、その口から発せられる言葉には言い知れぬ重さがあった。
「偵察は慎重を期して行われた。十人が後衛として入り口で待機し、残り十人が前衛としてフロアの中心に到達したところで、扉が閉じられてしまったらしい・・・再び扉が開かれるまで五分間以上何をしても開かなかった。ようやく扉が開いた時には、そこには先に突入した十人も、ボスの姿すらなかったそうだ。念のため、生命の碑を確認しに行ったところ・・・」
それより先は聞かなくても三人は理解した。重い雰囲気が漂う中、ヒースクリフはある人物がいないことについてルナに問い掛けた。
「それより、ソレイユ君はどうしたのかね?」
「長期間のクエストに行くと言ってました。ただ、ダンジョンに潜っているのか、連絡は取れません・・・」
「そうか・・・彼も戦力の一人として数えていたのだが・・・致し方ないな・・・」
その後、集合時間と集合場所を聞いたルナたち三人は時間まで自由行動となった。キリトとアスナは部屋に留まり、ルナは散歩をするといって出て行った。
◆
「ハァ・・・」
血盟騎士団本部から七十五層のコルニアに来たはいいが、正直な話あんまりやることがなかった。あのような話を聞いた後では気軽に散歩とは行けるわけがない。少しでも外を歩けば気分は変わるものだと考えたが、なかなか変わってくれない。そのため、ため息が漏れてしまうのは致し方ないだろう。
「おお、そこにいるのはルーちゃんじゃないカ!」
沈んだ気持ちで歩いていると、いきなり声をかけられた。独特の口調と自分のことをルーちゃんと呼ぶのは一人しかいないことから、声をかけてきた人物が誰であるかルナは簡単に検討が付いた。
「・・・こんにちは、アルゴ」
フードコートを羽織り、特徴的な両頬にヒゲを模した三本線のメイクと短めな金褐色の巻き毛、人を食ったような笑顔は間違いなく≪鼠のアルゴ≫その人だった。
「聞いたゾ!七十五層のボス攻略に参加するんだってナ?」
「さすが、鼠・・・情報が早い・・・」
「それがオレっちだからナ!」
呆れを含んだルナの言葉にどや顔で答えるアルゴ。
「暇なら、そこのカフェで少しどう?おごるよ?」
その言葉にニヤリと笑うとアルゴはルナの申し出を受けた。
カフェに入
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