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ドリトル先生とタキタロウ
第十一幕その七

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「この湖にしかおらず個体数が少なく」
「大型のイワナ属として」
「完全な淡水生の」
「そうした意味でも稀少ですね」
「だからですね」
「そうです、保護が必要なので」
 それ故にというのです。
「天然記念物に指定して」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「保護すべきですね」
「そこまでのものです、ニホンオオカミも稀少ですが」
 先生が再発見したこの生きものもというのです。
「それ以上にです」
「タキタロウは稀少ですね」
「実在が学術的に確かなものとなり」
「公に認められたなら」
「ニホンオオカミもそうなっていますが」 
 天然記念物にというのです。
「ですが」
「タキタロウもですね」
「そうして保護をして」
「そのうえで、ですね」
「残していくべきです、この湖にしか棲息していないのですから」
 わかっている限りではです。
「僕は思います」
「天然記念物に指定して」
「特別に保護をして」
「護っていくべきですね」
「そう思います」
 先生はスタッフの人達に確かなお顔でお話しました。
「僕は」
「そうですか、ではです」
「その様にしましょう」
「そうなる為にもです」
「さらなる調査が必要ですね」
「僕達の調査は間もなく終わりますが」 
 それでもというのです。
「後はです」
「然るべき人達に申し継ぎをして」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「調査を続けてもらいましょう」
 こうお話するのでした、そしてです。
 先生はスタッフの人達それに動物の皆と残り少ない日数全てを調査に使いました、それが終わってです。
 皆で打ち上げになってです、乾杯してです。
 飲んで食べてです、先生は今も一緒にいる動物の皆にお話しました。
「明日はね」
「もうここを発って」
「そうしてだね」
「神戸に戻るんだね」
「そうするのよね」
「そうするよ、振り返るとあっという間だったけれどね」
 大鳥池の調査はというのです、タキタロウのことも含めて。
「楽しかったね」
「湖だけじゃなくて周りの調査も出来て」
「仙台で美味しいものを食べてね」
「平泉にも行けたし」
「わんこそばもきりたんぽも食べられたし」
「よかったね、また機会があれば東北に来て」
 この場所にというのです。
「色々学びたいね」
「東北も色々あるからね」
「仙台や平泉だけでなくて」
「この大鳥池だけじゃない」
「そうだからね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「また来たいね」
「今度は会津とか?」
 ポリネシアはこの場所をお話に出しました。
「白虎隊、幕末の」
「他には秋田の男鹿半島はどうかな」
 チーチーはこちらをと言いました。
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